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達セミに学ぶ 英語学習のヒント

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英語教師による英語教師のための情報シェアの場「達人セミナー」通称「達セミ」をご存知ですか。毎週のように自発的かつボランティアで全国各地にて開催され、それぞれの授業方法を公開しシェアしています。基本的には中学・高校の教師の方々が中心ですが、その授業には英語を楽しく学ぶヒントがたくさん隠されています。その中から毎号1名の先生にレポートしていただきます。

今回のヒントはこれ:

  • 「各文法項目が使われる「場面」を理解していますか?」

鈴木 滋先生

財団法人国際教育振興会 日米会話学院
鈴木 滋先生

大学生やビジネスマンが実際に英語を書いたり、話したりするのを見ると、「何か少し違う」と思うことがあります。中高で文法を学習してきたので文自体は文法的に正しいし、言いたいことも分かります。しかし、場面に合わせて適切な文法項目を使えていないことがよくあります。それは、たとえ各文法項目の「構造」と「意味」は知っていても、それらが使われる「場面」を理解していないためです。

文法の学習には「構造」、「意味」、「場面」の3つのポイントをおさえてください。

構造と意味

「構造」とは肯定文、否定文、Yes/No疑問文、2種類のWh-疑問文などの文の作り方のルールです。これなしに正確な作文はできません。
「意味」とは、各文法項目の日本語訳のことを意味します。文法を学習するにあたって、日本語をベースに考え、日本語訳をきちんと理解しておくことで理解が深まります。

例えば、「should」を使ってアドバイスをする場合の構造と意味はこのようになります。
構造: should +V(原形) 
意味: ~すべきです

構造 英語 日本語
肯定文 He should apply for the job. 彼はその仕事に応募すべきです。
否定文 He shouldn’t apply for the job. 彼はその仕事に応募すべきではありません。
Yes/No疑問文 Should he apply for the job? 彼はその仕事に応募すべきですか。
Wh-疑問文 Who should apply for the job? 誰がその仕事に応募すべきですか。
Wh-疑問文 Why should he apply for the job? なぜ彼はその仕事に応募すべきですか。

ここで多くの方が、文法の学習を終えていることが多いようです。書いたり話したりするとき、とりあえず相手に伝わればよい、というのであればここまでで問題はありません。しかし、「適切に」伝えたければ「場面」の理解が必要です。

場面

「場面」とは、各文法項目が使われる場面を意味します。そして、意味は同じでも、それを表現するのに使える文法項目が何通りもあることがあります。その場合は、それぞれが使われる場面も知っておくとよいでしょう。使う場面を間違えると、相手の誤解を生むこともあります。
例えば、アドバイスをするときは「You should V…」の他に、「You’d better V…」「If I were you, I’d V…」などたくさんあり、それぞれ使う場面が違います。

「You should V…」は、上から目線の表現です。自分の方が相手よりも知識があるような場面で使うので、相手との関係に少し気をつけて使いたいです。一方、「If I were you, I’d V…」は、自分の方が相手より知識を持っているときだけでなく、自分と相手の知識が同等な場面でも使うことができるので、こちらの方が使い勝手がよいでしょう。

  • If I were you, I would take the job.
  • If I were you, I wouldn’t take the offer.

次に、「You’d better V…」は、「それをしないとまずいことになるかもよ」と言った意味があり、もしそれに従わないと問題や危険を招く恐れがあるかもしれないという場面で使われます。場合によっては高圧的に聞こえてしまうので、より注意が必要です。

  • You don’t look good. You‘d better see your doctor.
  • You’d better go now, otherwise you will be late.

文法を学習するにあたって

文法を学習する際には、「構造」、「意味」、「場面」、の3つのポイントを意識してください。
英語でのコミュニケーションが何とか成り立つ程度の方は、全体的にたどたどしい英語を使っているので、場面に合わせて適切な言い方をしなかったとしても相手の誤解を生むことはないでしょう。

ただし、ある程度使いこなせるようになると相手の期待値も上がってくるので、適切な表現を使うことが求められます。特に意味は同じでも、使える文法項目が何通りもあれば、何が違うのか意識して学習を進めてください。

参考図書:
「マーフィーのケンブリッジ英文法(中級編)」Raymond Murphy(Cambridge University Press)
「Grammar Dimensions 1」 Victoria Badalamenti, Carolyn Henner-Stanchina, Diane
Larsen-Freeman(Heinle & Heinle Publishers)
「英語のソーシャルスキル」鶴田庸子、ポール・ロシター、ティム・クルトン(大修館書店)

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