ETS公認トレーナーと勉強しよう!TOEFL iBT® テストWeb準備講座

学習者が書いたエッセイを、添削・アドバイスする「ウェブ公開授業」

  • 横川綾子先生
  • ETS Authorized Propell Facilitator
  • 明治大学

 

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第1回 エッセイライティングのポイント

みなさん、こんにちは。「ETS公認トレーナーと勉強しよう!TOEFL iBT® テストWeb準備講座」を担当します横川綾子(よこがわあやこ)と申します。夏休みが近づいてきましたね。みなさんはもう予定を立てられましたか。「今年の夏はTOEFL®テスト対策にかける!」という人もいるかも?努力は自分を裏切りません。私もWebから応援していますよ。

さて連載第1回のテーマは、「エッセイライティングのポイント」です。TOEFL iBT Test Writing Section のIndependent Task(独立型問題)は、自分の意見を論理的に述べるエッセイ形式のタスクです。留学先でも、課題としてエッセイやレポートが毎日のように課されますから、説得力のあるわかりやすい英文を書くスキルはとても大切です。日本語でいうところの「エッセイ・随筆」が持つ語感とは異なり、英語のessayでは、一定の様式に則った論理的な説明が求められます。

TOEFL iBTテストのIndependent Taskでは、受験者のスキルを「ライティングの完成度(=わかりやすい構成、文法の適切さと正確さ、使用語彙の適切さと多様性)」と、「主張を十分に展開・説明しているか」という2点から評価します。ライティングの完成度を高めるには、エッセイ独特の様式を理解し、書いた英文を自分で校正・修正しながら、使える語彙や表現の幅を広げることが重要です。主張を効果的に展開するには、書き始める前のブレーンストーミング(=アイディア出し)をしっかり行い、具体例や経験談を盛り込みながら、読み手を説得する論理展開の練習を重ねることが不可欠です。ではここで、エッセイを書く上で気を付けたいチェックポイントをみなさんにご紹介したいと思います。

構成に関して

英文のエッセイは、Introduction(序論)と呼ばれるパラグラフから始めます。まずIntroductionでエッセイのテーマを明示し、それに対する自分の主張をThesis statement(主題文)として提示します。続くBody(本論)では、Thesis statementを様々な方法で「証明」していき、Conclusion(結論)でエッセイを結論づけます。Bodyの膨らませ方で、エッセイの分量も決まります。「5パラグラフエッセイ」が基本形のように言われますが、その場合、Bodyは3パラグラフということになります。ちなみにTOEFL iBTテストのIndependent Taskでは「パラグラフを5つ書かないと満点は出ない」ということはありません。あくまで主張がしっかり展開されているかが重要で、形式そのものに対するペナルティはありません。

Bodyの各パラグラフの冒頭では、Topic sentence(パラグラフの主題文)として、そのパラグラフで言いたいことを1文で書きます。ここで気を付けたいのが、「1パラグラフ=1アイディア」の原則。話題を変えたいときは、パラグラフを変えましょう。冒頭でTopic sentenceを提示したら、Supporting details(詳細説明)として説明・具体例を続け、最後はConcluding sentence(パラグラフの結論文)で、そのパラグラフで伝えたかったことをまとめ、再提示します。

Conclusionでは、各パラグラフのTopic sentenceを要約しながらThesis statementを再提示し、結論づけます。Conclusionで大切なことは2つ。1つは、「Introductionで述べたこととConclusionで述べることが矛盾しないこと」、もう1つは「Conclusionで新しい要素を論じないこと」です。日常生活なら歓迎されるサプラ~イズ!はConclusionには不要ということですね。

<5パラグラフエッセイの構成例>


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校正に関して

構成・校正のシャレではありません(笑)。自分で書いたエッセイを自分で見直してミスを修正できるスキルを身に付けておくことは、ライティングの上達には欠かせません。専門家にエッセイを添削してもらい、改善点を指摘してもらうことは望ましいですが、自分で自分の書いたものを校正し、完成度を上げていくスキルはいずれ必要になります。校正のチェックポイントを意識し、質の高いエッセイに仕上げるための観察眼を養いましょう。

<校正のチェックポイント例>

テクニカル面
1.1つの文に主語と述語動詞がある
2.主語の数と述語動詞は一致している
3.主語に対する述語動詞の態(能動・受動)は適切である
4.動詞の時制は適切である
5.主語がIやItばかりになっていない
6.必要なbe動詞が抜けていない
7.動詞がbe動詞ばかりになっていない
8.同じ単語が繰り返し使われていない
9.名詞の数や格に対応した代名詞を使っている
10.Transition words*が適切に使われている
11.スペルミスがほぼない
コンテンツ面
12.IntroductionにThesis statementがある
13.ConclusionでThesis statementが再提示されている
14.Introduction とConclusionの主張が矛盾していない
15.Conclusionにそれまで出てこなかった新しい要素はない
16.Bodyの各パラグラフがTopic sentenceで始まっている
17.1つのパラグラフで1つのアイディアだけが論じられている
18.主張に関する説明は具体的で説得力がある
19.英文が一貫してトピックに関連した内容になっている
20.筆者の主張は明確である

Transition words*=First、In addition、Howeverといった文同士の関係を見えやすくする言葉

次回記事から、モデル学習者の方が書いたエッセイを誌上添削していきます。テーマを発表しておきますので、みなさんならどんなエッセイを書くか、考えておいてくださいね。では次回(第2回 エッセイに説得力を持たせるには)でお会いしましょう。

次回掲載予定の誌上添削エッセイのテーマ
Do you agree or disagree with the following statement? “Teenagers should have jobs while they are students.” Use specific reasons and examples to support your opinion.

横川綾子先生
ETS Authorized Propell Facilitator
明治大学 国際連携機構 特任准教授
略歴:上智大学法学部国際関係法学科卒業、テンプル大学大学院修士課程修了(教育学修士)。実践的英語能力向上プログラムの開発・運営、海外大学・機関との学生交流及び学術交流の施策推進に携わる。
専門:TESOL(英語教授法)
著書:『アメリカ人なら小学校で学ぶ 英文ライティング入門』(アルク、2014)他
記事:『「話す」「書く」「聞く」「読む」試験で英語力(フォース)の覚醒』(アルク、ENGLISH JOURNAL 2015年10月号)他

 

TOEFL iBT Writing Section Scoring Guide
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