ベトナム

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今回は春休みにベトナム ホーチミンの児童養護施設で、重度障害のある子どもをサポートするボランティアに参加した大学生の体験談です。参加前に寄付金を集める活動や、大学の講義で現地の歴史や現状を調べて発表した経験もある学生さんです。就職活動や将来に悩んでいる最中に参加されたので、似たような状況の学生さんには、共感できるポイントもあるのではないでしょうか。
現地では、重い障害のある孤児約20名と先生たちと過ごされ、様々なことを感じられました。活動内容に加えて、ゲストハウス、観光情報まで、詳しくご紹介します。

  • 竹本 慧璃奈さん / 大学4年生 (参加当時) / 大分大学 経済学部 / 2月に2週間参加

竹本さんが参加したベトナム ホーチミン「児童福祉」

1960年から1975年まで続いたベトナム戦争では、アメリカ軍が使用した枯葉剤が人体と自然に多大な影響を与えました。ベトナムでは今でも心身に様々な障がいを抱えた子供が生まれてきます。そして、貧しい家庭では十分な治療が受けさせられないため、子どもを捨てたり、孤児院や施設に預ける親は、後を絶ちません。このベトナム「児童福祉」プログラムは、過酷な状況の中でも一生懸命に生きる子どもたちの生活のお世話や一緒に遊ぶ活動を通じて、愛情を与えるプログラムです。>>詳細はこちら


参加のきっかけ

私が参加を決めたのは大学4年生の就職活動真っ只中の時期でした。当時は厳しい就職活動に毎日頭を悩ませていました。就職活動に追われ、残りの大学生活を終え、そのまま社会人を迎えるのはもったいなく感じました。自分を見つめ直すためにも、学生生活の最後に何か目標を持って達成出来る大きな活動をしたい!と強く思い、探していたところ大学の講義の一貫で、このプログラムに参加出来ることを知り、参加を決意しました。

参加するにあたり、渡航前までは大学の講義でベトナムの現状や歴史ついて調べて発表をし、理解を深めました。また、養護施設に寄付するためのお金を集めるため、講義での勉強と同時進行で募金活動をしました。SNSや地域のイベントでの呼びかけ、チラシの作成を行い、広報活動なども自分たちで全て計画を立てて、積極的に募金活動を行っていきました。募金で集めたお金の半分は施設の子供たちに喜んで貰えるように、おもちゃや筆記用具を購入し、残りは施設へ寄付をしました。

渡航前に不安だったこと

・子供たちの世話をする機会が今までになかった
私は一人っ子で今まで自分より年下の子供の世話をしたことがありませんでした。そのため、どのように接したらよいか、世話をしたらよいかが分かりませんでした。プログラムの初日はやはり戸惑いましたが、他の参加者のやり方を参考にしたり、自分なりに工夫をしたりしていくことで徐々に慣れていきました。

・言語の壁
ベトナム語を話せない私は、意思疎通が出来るか不安でした。現地に行くと、大半の人は英語で会話が出来ました。私はイギリスとアメリカに短期留学をしていた経験があったので、その時の経験を活かして上手くコミュニケーションを取りました。ベトナム語しか話せない人や施設の子供たちとも、表情や動作で伝えることが出来ました。大事なのは伝えようとする気持ちであると改めて学びました。

・衛生面や体調面
日本も、今まで自分が訪れたことがある国とも全く違う文化・気候の場所であるため、体調を崩さないか心配でした。渡航前はいざという時のために体温計や常備薬を準備して持って行きました。また、私がプログラムに参加した時期はちょうどコロナウイルスが流行り始めていた時期でした。そのため、外に出る際はマスクを必ず付け、こまめに消毒、手洗い、うがい、疲れている時は睡眠をたくさん取ることを毎日徹底しました。幸い大きく体調を崩すこともなく帰国することができました。

ボランティア活動で学んだこと

ある1日のスケジュール

7:00
起床・準備 

8:30〜11:00
施設到着・ボランティア活動開始 (子供たちにご飯をあげる、施設内を歩く子供たちの補助、一緒に遊ぶ、など)

11:00〜14:00
子供たちの昼寝の準備をして休憩・昼食へ

14:00~17:30
活動再開(施設内を歩く子供たちの補助、一緒に遊ぶ、お風呂や着替え、オムツ替えの手伝い、おやつ、夕食を食べさせる、など)

18:00
寮に戻り、自由時間

22:00
就寝


・衝撃を受けた場面
私が主に担当したのは孤児たちの中でも、特に重い障害のある孤児たちが20名ほどいる施設の一角でした。体が不自由で自由に動けない子供が大半で、歩く際は必ず誰かの手を借りなければなりません。サポートをしながら一緒に歩いていた際に柵の向こう側や、自由に走り回る他の孤児たちをじっと見つめる子供を見ているととても心が痛みました。

特に衝撃を受けたのは、施設の方が子供たちにご飯をあげる時に無理やり押し込んでいたことや、指示に従わず動き回る子供を怒鳴り椅子に固定していた場面です。この施設では、子供たちの数に対して圧倒的に施設の方の人数が足りていないと感じました。そのため、手が回らず一人一人にきちんと手をかけられない様子でした。また、三十数度ある蒸し暑い気温の中を数台の扇風機を回しているだけ、子供たちを寝かし付ける際もボロボロの硬いマットしかない、オムツも1日に1.2回程しか変えられない、など子供たちが過ごすのに十分な設備が整っておらず、施設の厳しい現状を目の当たりにしました。

なんとかしてあげたい、なんとかならないのか、と何度も思いました。でも、自分の力だけではどうにもならない現実がこの世界にあることを知りました。

私が、私たちができることはこの現状が実際現実に起こっていることをこのような活動を通して多くの人に知ってもらい、少しでも貢献出来る力になることだと思いました。

・何事も積極的に
初日から数日間は目に映るもの何もかもが衝撃的で落ち込んでいたのもあり、ボランティアにも自由時間にもあまり活発に動く気力がありませんでした。しかし、施設にいる子供たちは私のことをすぐに覚えて、見つけるとすぐに駆け寄ってきてくれる子もいて嬉しくなりました。私はそんな子供たちの笑顔のためにもその時に出来ることを精一杯に頑張ろうと思いました。

このプログラムは日本人だけではなくドイツやフランスから来ている人もおり、海外の人とも積極的にコミュニケーションを取ることで、自分とは違う視点からの考えも知ることが出来ました。

ベトナムの文化にたくさん触れた2週間

ボランティア活動以外の時間は寮のルームメイトと町に出かけたり、1人でふらっと町を歩いてみたり、週末は現地のスタッフと有名な観光地巡りに行ったりメコン川に訪れたり、充実した時間を過ごしました。

自分からも積極的に異文化に飛び込んでいきました。また、「せっかくベトナムに来たからには現地のローカルフードを制覇したい!」と思い、ネットで調べるだけでなく、現地で出会った人やお店の人にオススメを聞いたりしました。フォーがとても美味しく、滞在中は様々な種類のフォーを何回も食べました。私のお気に入りはカニフォーです!

どんなに異なる場所や環境にいても

私は就職活動や将来に悩んでいる自分を見つめ直す機会として、このプログラムに参加しましたが、自分自身が大きく成長出来ただけでなく、ベトナムの現状・歴史や、このような厳しい現状があることもしっかり知ることが出来ました。あの時、参加しようと決意しなければこの現状を知らないまま生きていくことになったかもしれません。このプログラムに参加して本当によかったなと心から思います。

例えどんな場所や環境にいたとしても自分の「軸」を持ち恐れずにトライすること、この気持ちが大切だと気付かされました。

私は現在、無事に大学を卒業し新社会人となりますが、これらの経験は必ずこの先の人生で役に立つと思います。

旅メモ

使ったお金の総額

・往復航空券 約7万円
・現地で使用した金額:約2万円
・その他:渡航費用、ボランティア参加費用、日用品
総額:約25万円

最寄りの福岡空港がプログラムの日程に合う時間の便がなかったため、大分から関西空港、関西空港からベトナムへ行きました。また、現地は驚くほど物価が安い上に、ご飯は寮でたまにみんなで作って食べたり、買ってきたものをシェアしたりしていたため、現地でたくさんお金を使うことはありませんでしたが、念の為にクレジットカードも持って行きました。


レポート作成者の竹本 慧璃奈さんに、直接コメント・問い合わせをしてみよう!

 
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