ワークアンドトラベルアメリカ体験談

  • print

牧野 杏美さん 愛知大学 3年生 / モンタナ州 Glacier 国立公園 Grouse Mountain Lodget / 8~9月に7週間参加 
【参加の理由・目的】できるだけ費用を抑えて、短期で海外にて英語を学びたいと思っていたところ、大学でこのプログラムのチラシをたまたま見つけたのがきっかけです。ワーホリのないアメリカで働けることや、ホームステイでなくルームシェアで他国の大学生との交流できる点も面白そうだと思って応募しました。
【参加前に不安だったこと】就業先のモンタナ州について調べると、白人主義だとか、アジア人はほとんどいない、という情報をいくつか目にしたので、滞在中に差別を受けて、仕事中の扱いも雑なのでは・・・?と少し不安でした。

牧野さんが参加したSummer Work & Travel

学生だけに認められたアメリカのJ-1ビザ(交流訪問者ビザ)プログラム。アメリカの文化を経験しながらアルバイトをすることができるプログラムです。アルバイト後には30日間を上限に旅行を目的にアメリカに滞在することも可能です。CIEEアメリカ本部は、Summer Work & TravelをJ-1ビザの制度ができた1969年から実施しており、約50か国から大学生を受け入れています。 >>詳細はこちら

出発~現地到着

中部国際空港からシアトルのタコマ空港まで飛行機で移動し、現地に住んでいる叔母の家に2日滞在した後、シアトルからアムトラックのEmpire Builder号の寝台列車で移動しました。約15時間のフライトでシアトルに到着後、空港の入国審査には長い列ができており、空港を出るまでに3時間もかかりました。当初、叔母の家には滞在せず、アメリカ到着日にそのままアムトラックでモンタナ州に向かう予定だったので、もし予定を変更していなかったら、絶対に電車に乗れていませんでした。アメリカはとても広く、タコマ空港からアムトラックの駅までも車で30分程かかるので、現地に向かうまでの日程に余裕を持たせて本当に良かったです。


寝台列車での移動はとても快適でした。一人で使うのに十分なスペースがあり、夜はぐっすり眠れました。夜、寝台列車の中から見るアメリカの星空は絶景で、ずっと見ていました。また寝台列車の乗客は、食堂車での食事と、ドリンクバーが無料で利用できるのです。メニューの中から好きなものを選べて、ディナーでは、アンガスビーフのステーキとチーズケーキを、朝食はパンケーキを選びました。アイダホからカナダへ旅行に向かう素敵な家族と相席し、緊張しつつも楽しく会話をしながら食事をしたのは良い思い出です。最寄り駅のWhitefish駅で、Grouse Mountain Lodgeの方がシャトルバスで迎えに来てくださっており、駅からは10分ほどでロッジに到着しました。その後、滞在する家までシャトルバスで送ってもらい、その日は夕方ごろまで寝ていました。


就労先での仕事

Grouse Mountain Lodgeでは主にハウスキーピングの仕事をしました。10日ほど経ってからは、マネージャーに相談して、ロッジ内のレストランでbusserという、serverのお手伝いの仕事も同時にさせてもらいました。
ハウスキーピングの仕事は、朝8時に出勤し、8時15分頃から、2人または3人でチームを組んで仕事をしました。職場には、アメリカ人の上司が5人ほどいて、それ以外は私のように、夏から秋の間だけアルバイトをしに来た学生たちが15人ほどいました。私のロッジには、日本、台湾、スペイン、ルーマニア、トルコ、マケドニア、フィリピンから学生が来ていて、日本人が1番多く、私を含め8人いました。その中で、誰と一緒に仕事をするかは毎日アメリカ人のマネージャーがランダムに決めていたので、いろんな人と一緒に仕事をしました。ハウスキーピングの仕事は単純な作業なので、1日で大体のことには慣れました。ベッドメイキングは初めてでしたが、アメリカ人の上司が優しく教えてくれました。ハウスキーピングの仕事では、同僚の大学生と話す時間が一番多く、お客様とは廊下ですれ違ったら話す、といった感じで、英語を使う時間はあまり多くはなかったですが、気の合う友達とチームになった日は、お互いの国のことやアメリカでの暮らしのことを話しながらベッドメイキングをしたり掃除をしたりし、とても楽しかったです。
夜、レストランでの仕事は、ハウスキーピングと違って、英語で話す機会はとても多かったです。仕事はハウスキーピングと比べると難しかったですが、スタッフは皆アメリカ人で、英語力の向上にはとても良い機会でした。仕事内容は、テーブルのセッティング、来店したお客様の案内、お客様へのドリンクサービス、食事を終えた食器の片付け、電話や口頭での予約受付やルームサービスなどをしました。仕事はどれも楽しかったのですが、電話はとても苦手でした。対面での会話よりも聞き取るのがとても難しく、苦労しました。

アメリカでの仕事を通して実感したのは、「アメリカ人は人を褒めて育てる」ということです。アメリカの学校では、生徒を褒めて伸ばすということは聞いたことがありましたが、仕事の1日目で実際にそれを体験して、すごく前向きな気持ちになりました。例えば、初めてベッドメイキングをした時に、”Your bed is beautiful.”と言ってくれました。自分では全くそう思いませんでしたし、上司から見ても、実際にはそれほどでもなかったと思いますが、褒められることで自信が持て、仕事へのモチベーションも上がり、気持ちよく仕事ができました。上司は毎日褒めてくださり、もし何か注意をする時でも、注意に加え良いところも必ず伝えてくれるというフォローが素晴らしかったです。レストランでの初日も、お客さんや上司が、”You are doing awesome.” “Good job!” などと言ってくれたのでとても嬉しく、皆の優しさに驚きました。職場では怒っている人は一度も見なかったほど良い環境で、日本の仕事スタイルとの違いを感じました。

アメリカでの生活

私が滞在したWhitefishは、大自然の中というよりは、田舎と都会が混在したちょうどよい街でした。家に着いた初日には、とてものんびりした街で、すぐに気に入ったのですが、私が滞在していた家は、勤務先のロッジが所持している一軒家で、その家にはルームメイトの台湾人の3人の女の子以外に、アメリカ人の35〜60歳までの男の人も4人一緒に住んでいたので、最初はとてもびっくりしました。勝手な想像で、家には女の人しかいないと思っていたのです。しかし、彼らはとても優しくて、よく話してくれました。男性たちはそれぞれ、シャトルドライバー、バーテンダー、料理人として、私たち大学生のように、夏の間だけロッジに働きに来ているようでした。家の周りは池や山が近く、夜になると街灯がほとんど無くて真っ暗なので、少し怖いですが、星がとてもはっきり、くっきり綺麗に見えるので、よく星を観察しました。流星群のピークの日には、滞在者全員で、テラスに寝転がり星を見たのですが、すごく綺麗だったのを覚えています。
Whitefishのダウンタウンへは、ロッジから徒歩で行ける距離にあり、食料品、服屋、本屋、レストランなど、なんでもあり、生活は想像以上に快適でした。車を20分ぐらい走らせてKalispellの街まで行くと、さらに大きなショッピングモールもいくつかあるので、Grouse Mountain Lodgeの立地はとても良かったのではないかと思います。
気候については、モンタナの夏は最高に過ごしやすかったです。日本よりとても涼しく、暑い日には日中35度を超える日もありましたが、湿度がとても低く渇いているので、暑さはあまり気になりません。しかし、寒暖差がとても激しく、朝は10度以下で寒かったので、秋が来る前にはKalispellのアウトレットショップで暖かいジャケットを買い足しました。8月は日中は半袖でも大丈夫でしたが、9月は急に寒くなったので、ニットやセーターを持ってくるべきだったと思ったくらいです。ですが、日の入りはとても遅く9時ぐらいまでは明るかったので、仕事終わりに遊んで帰っても安全でした。また、治安もとてもよくて、怖い事件などを聞くこともなかったので、日本よりも治安が良いのは?と思ったくらいです。初めてのアメリカで、最初はとても警戒していたのですが、良い意味で裏切られました。

ある一日のスケジュール
  • 07:20 起床

    08:00 就業先ロッジに到着 スタッフ用のダイニングで軽食

    08:15 アルバイト開始・アメリカ人上司からその日の指示を受ける

    11:00 スタッフ用のダイニングで昼食

    15:00~ 16:00 業務終了 帰宅 自由時間

    19:00 夕食 自炊

    20:00 シャワー、洗濯、ルームメイトと団らん

    24:00 就寝

休日の過ごし方

休日は日々の疲れをリフレッシュするため、昼まで寝ている日もあれば、Glacier Parkへハイキングやドライブに行ったり、ダウンタウンに買い物に行ったり、と、とても充実していました。滞在先の家からWhitefish Lakeまでは徒歩10分程だったので、時間がある時はよく散歩に行き、大きな湖を眺めるのが癒しの時間でした。とても静かで、心を落ち着けることができた場所です。野生動物もたくさんいて、見つけるたびに写真を撮りました。ハウスキーピングの仕事は夕方には終わるので、休日だけでなく業務が終わった後にも、他の参加者と買い物へ行ったり、レストランやバーに行ったりしました。アメリカでは21歳からお酒が飲めるので、年上のスペイン人の友達とパスポートを持ってよく飲みに行きました。遠くに行きたい時は、ホテルのシャトルバスでKalispellの街にあるWalmartやコストコに行き、食べ物や服をよく買いました。

アメリカのスーパーでも、日本の米や醤油、照り焼きソース、味噌などの調味料が買えたので、休日はハウスメイトに日本食をふるまうこともありました。日本のキューピーマヨネーズがWalmartに売っていて、それがハウスメイトに大好評だったので嬉しくなりました。母が日本から送ってくれためんつゆ、だし系の調味料もとても人気で、アメリカ人のハウスメイトが勝手に使うのですぐになくなってしまいましたが、「Umami(うまみ)!」と言っていつも喜んでいたので、もっとたくさん日本のおいしい料理を紹介したくなりました。
休日にすることで1番好きだったことは、自然に触れることです。モンタナでの散歩、ハイキング、ドライブは最高でした。アメリカ人のハウスメイトで、ホテルではシャトルドライバーとして働いているおじさんと仲良くなり、オフが同じだった日にドライブに連れて行ってもらい、美しい自然の美しさに感動しました。晴れの日はもちろん、曇りの日、雨の日、山火事の後の日でも、それぞれ違った表情の山、池、湖、空の全てに魅了されました。ハイキングは日本では小学校の遠足でしか挑戦したことがなかったのですが、今ではすっかりハイキングの虜になりました。頂上へ行くまでにとても時間がかかり疲れますが、山の上部は涼しく、空気がとても気持ちいいので、心身ともにいい運動とリフレッシュになりました。道中や頂上からの景色は疲れを忘れさせるほど美しく、モンタナの、「どこを見ても山!」というスケールの大きさに圧倒されつつ、あまりの居心地のよさに、ここに移住したいと思ったほどです。

Work & Travel USAに参加して得たもの

私は、大学では英語を専攻しているので、日常会話なら大丈夫だと思っていましたが、実際にアメリカに行くと、聞いたことのない表現や、ネイティブの話すスピードの速さに苦戦しました。しかし、それらを理解するよりも早く、真似をする努力をしました。その結果、だんだん理解できることが増え、会話も楽しめるようになりました。日本にいる外国の方々がいかに、易しくゆっくりと英語を話してくれているかがわかりました。発音に関しても、上達への近道は真似することだと思っているので、実際に現地の英語をたくさん聞いて真似した結果、帰国後、友達に、「英語すごく上手になったね!」、と言われて嬉しかったです。
また、時々人間関係で悩むこともありました。ルームメイトは全員台湾人だったので、台湾人同士では、基本的には中国語で話します。私は全く理解できず、一緒に英語で会話する時以外は寂しさを感じたので、アメリカ人のハウスメイトと話す時間、テレビを見る時間、また残業をする時間、などで何とか違うことをする時間を増やしてうまく過ごすことにしました。一緒に働く仲間にも国によっていろんなタイプの人がいて、他人との関わり方や意見の交わし方についても、参加前と後では少し変わりました。自己主張が強い国民性の参加者もいたので、日本人にはあまりいない、上から目線の強気な発言の連発に最初は戸惑いました。しかし、言われっぱなしで日本人は弱いと思われるのが嫌だったので、私も強気な発言で言い返すようにしました。すると、相手も変化を感じたのか対等に話してくれることが多くなり、接する相手に合わせて臨機応変に自分の態度、接し方を変えることも時には必要だと感じ、勉強になりました。

これから参加される方へのメッセージ

私がアドバイスしたいことは、参加する前に自分がアメリカでどんなことができるか、何をやりたいのかを分析し、目的をいくつかハッキリと持つことです。
私はこのプログラムに参加するにあたって、5つ目的がありました。外国人の友達をたくさん作ること、ネイティブのような英会話ができるようになること、外国で働くということを体験すること、アメリカの文化に触れること、まだ知らない自分を見つけること、です。そして終わった今振り返ると、ほとんど達成できたと思います。2ヶ月弱の短い滞在を最大限に生かして、成長して日本に帰りたい、と強く思っていたので、しっかりと目標を立てました。特に、行く前から、「日本人の参加者とは絶対につるまない!」、と意地を張っていて、プライベートの時間でも日本の友達とはあまり連絡せず現地の友達との時間を多く過ごし、常に英語を話す環境となるようにしました。そのため、滞在中は何か一人で考えるときでも自然と英語で考えていることが多かったです。日本人の参加者は皆良い人ばかりで、仕事も一緒にするので仲良くはなりましたが、会話は出来るだけ他の外国人の参加者とするように心がけていました。私は観光客ではないので、「日本人の参加者とは日本でも仲良くできるから、今しかできないことがしたい」、と常に思っていたからです。仕事に関しても、マネージャーにお願いして2種類の仕事を経験できたのは、良い経験になったと思います。積極的な態度でいれば、多くのことにチャレンジでき、また人間関係の幅も大きく広がり、とても充実した時間を過ごせました。
お金を稼ぐことと、英語の勉強をすること以外の目的を持って臨むことを強くおすすめします。

旅メモ

アルバイト収入

約300,000円 

往復交通費

約250,000円

滞在費(給与天引き)

70,000円

現地で使った金額

現金:約100,000円
クレジットカード:約80,000円
主な使用用途:食事、買い物、旅行、お土産代

|CIEE CLUB