参加者 風戸あかねさん(大学生)

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"笑って、泣いて、こんな経験二度とない。全ての出会いが宝物"

  • 風戸あかねさん 大学3年生 / サンフランシスコ / 7~8月に4週間参加

風戸さんが参加したアメリカ・ボランティア「チャイルドケア」

2013年春より開始したプログラム。カリフォルニア州サンフランシスコ市内のレジデンスに滞在しながら、ボランティア活動をおこなう。バイリンガル教育を行う現地校で、日本人教師のアシスタントとして日本語授業をサポート、アメリカの教育現場を体験することができる。>>詳細はこちら

「もっと教わりたい」と目を輝かせる子どもたちに心を打たれた

大学の夏休みを有意義に過ごすには

大学3年の夏休み。今までの大学生活で英語を学んできた集大成として、新たに何かに挑戦してみたいという強い意志がありました。そんなとき出会ったのがCIEEのアメリカ・ボランティアでした。昔から子どもが好きだということもあり、アメリカの子どもたちに日本の遊びを紹介するという活動内容に興味を持ちました。そしてアメリカの子どもたちに日本の伝統的な遊びを通じて、新しいことを学ぶ喜びや楽しさを伝えたいという気持ちが生まれ、このプロジェクトに参加させていただきました。

サンフランシスコに滞在

私が滞在していたレジデンスは、アメリカ、カリフォルニア州のサンフランシスコ市内にあるTurk Streetという場所に位置していました。正直この地域の治安はあまり良いとは言えません。しかし、それはあくまでも「日本と比べたら」ということです。日本での常識に囚われず、アメリカでの常識に従い行動すれば危険なことは起こらないです。また、バス・電車などの公共交通機関は非常に発達しており、レジデンスからダウンタウンやその他観光地へも気軽に行くことができます。とても便利で、いろいろな場所に足を運ぶことができます。そして何といってもサンフランシスコの一番の魅力は、様々な人種・文化が共存しているところだと考えます。ジャパンタウン・チャイナタウン・イタリアン街など多くの異なった顔を持ち、またゲイ文化も受け入れており、私が現地に到着した日にはゲイパレードがおこなわれていました。サンフランシスコではこのような独特な雰囲気も楽しむことができました。

学童保育所とバイリンガル小学校でのボランティア活動

私のボランティア期間は4週間だったということもあり、活動内容は前半2週間と後半2週間で異なりました。

前半の2週間は、サンフランシスコの低所得者地域であるTenderloinに位置するBoys & Girlsという学童クラブでの活動でした。このクラブは両親が働きに出ている間、子どもたちを一時的に預かる活動をしており、また、お金がなく生活が困難な人々を支援もする団体でした。活動時間は平日(週5日)の10時30から17時までで、レジデンスから地下鉄に乗り、さらに徒歩で向かい、クラブまでの所要時間は約30分でした。活動内容は主に子どもたちが室内や屋外で自由に遊んでいる中で遊び相手になったり、安全に遊んでいるか監督したりする学童スタッフの補助をおこないました。日本語はもちろん通じないので、スタッフとも子どもたちとも全て英語でやりとりをします。しかし補助といってもスタッフの方は私たちに指示をしませんので、自分から行動しなければなりません。自分はここで何をしたいのか、そのためにどうして欲しいのかという自分の意志をしっかりとスタッフの方に伝えることが必要でした。私は日本の伝統的な遊びを子たちに紹介したいという意思をスタッフのリーダーに伝え、そのための時間を定期的に設けてもらいました。折り紙や習字など、楽しみながら学ぶことができる遊びを紹介し、子どもたちもスタッフの方もとても喜んで取り組んでくれました。そんな皆の笑顔を見て、私も幸せな気持ちになりました。

後半の2週間は、サンフランシスコ市外であるAshbyに位置するAmerican International Montessori Schoolという私立のバイリンガル小学校での活動でした。この学校は、日本語と英語または中国語と英語の二言語教育の学校です。活動時間は平日(週5日)の9時30から15時30までで、レジデンスから電車に乗り、さらに徒歩で向かい、学校までの所要時間は約45分でした。活動内容は生徒が取り組む作業を見守り、ときに手を貸し、またときに評価する「先生」としての立場で活動しました。子どもたちは英語を話してはいけないことになっており、みんな一生懸命に日本語を話していました。子どもたちは基本的に朝から夕方まで屋外で遊び、休憩をはさみながら国語や算数を独自の方法で勉強します。生徒が分からないと言ったときはすぐに教えることはせず、まずは生徒にじっくり考えさせるのがAIMの方針でした。授業の中で日本を身近に感じてもらおうと、折り紙を使ってみんなで跳ねるカエルや手裏剣などを作りました。自分が作ったもので遊べるような作品だったら面白さが増すと考えたのです。子どもたちは自分の手で完成させられたことにとても喜んでおり、もっと知りたい、もっと教わりたいと目を輝かせていました。そんな子どもたちの意欲的な姿に心を打たれました。

この4週間は私にとって経験と学びの連続で、毎日がとても充実していました。

多国籍の友だちができるレジデンスでの生活

 

 


ボランティア活動―1日のスケジュール(例) Tenderloin Boys & Girlsの場合

08:30 起床
09:45 ボランティア先へ出発
10:30 ボランティア開始
17:00 ボランティア終了
18:00 みんなで夕食
19:00 帰宅
23:00 就寝

滞在先のレジデンスについて

季節は夏でしたが、とても寒かったです。夏は涼しいとは聞いており、上はTシャツに薄手のパーカーを羽織って下はパンツで行きましたが、想像以上の寒さで現地に到着した時は凍えそうでした。サンフランシスコの昼間は比較的暖かいですが、夜はとても冷え込むので温度差が激しく体調管理には気をつけました。私はもしものためにヒートテックを持参しましたが、それで体温調節をすることができ、あって良かったなと思いました。パーカーやトレーナーも薄手のものではなく、厚手のものを持参すると良いです。万が一持参していなくてもユニクロやForever21などがダウンタウンにあるので調達は可能ですが、現地での費用を抑えたい方は厚手の服を持参されると良いと思います。私やボランティア仲間もこんなに寒いとは思っておらず、皆厚手の服を購入しました。また日差しが強く、子どもたちと野外で活動することも多かったので、サングラスと日焼け止めは必需品でした。子どもたちも野外で遊ぶ際は日焼け止めを塗っていました。天候は晴れの日が続き、雨もほとんど降らなかったですが、朝方霧が発生するのがとても印象的でした。

食事は朝食のみレジデンスのキッチンにパンケーキとコーヒーが出され、自分で取りに行きます。昼食と夕食は自分で用意しなければなりません。前半2週間のBoys & Girlsでは子どもたちと一緒に持参した昼食を食べるのですが、私たちは朝食時に出されるパンケーキを多めにもらいそれを昼食にしていました。SUBWAYやバーガーキングもレジデンスの近くにあり購入することも可能ですが、子どもたちは果物ひとつやパンひとつしか食べていないので、私たちも子どもたちに合わせてパンケーキを食べることにしました。後半2週間のAIMでは子どもたちと同じ昼食をいただいていました。ピザやマカロニスープなど毎日違うメニューがあり、とても美味しかったです。夕食はボランティア仲間と外食することが多かったです。サンフランシスコは様々な国のグルメが楽しめるので食事には困らないと思います。たまにレジデンスで仲良くなった中国人や韓国人、ブラジル人と自国の料理を振る舞うパーティーを開催し、キッチンで料理をするときもありました。多国籍の友達ができることがレジデンス滞在の魅力なのだと感じました。レジデンスは毎日賑やかに過ごすことができ、とても刺激的で楽しい毎日でした。

週末の過ごし方

週末は主にボランティア仲間やレジデンスで仲良くなった友だちと観光をして過ごしていました。サンフランシスコは地域ごとに様々な顔を持っているので見れば見るほど奥が深い場所だと感じさせられます。ロックの雰囲気漂うヘイトアシュベリーやお金持ち街のノブヒルなど様々な地域に足を運び、場所によって変化するサンフランシスコの顔を感じることが現地でしか味わえない醍醐味だと思います。また、天気の良い日にはボランティア仲間と一緒に自転車を借りてフィッシャーマンズワーフからゴールデンゲートブリッジまでサイクリングをしました。想像していたより距離があり体力を使いますが、みんなでわいわい景色を見ながら風をきってゴールを目指し進む楽しさがありました。帰り際に現地コーディネーターの方と合流して皆で一緒にフィッシャーマンズワーフで食べたクラムチャウダーは絶品でした。また、現地コーディネーターに誘われて低所得者層の子どもたちに、学校で使う道具を提供するチャリティーにも参加しました。私は来てくれた子どもたちに折り紙で作った鶴や犬、ハートのキーホルダーを作って一人一人に渡しました。子どもたちから笑顔で「ありがとう」とい言葉をたくさんもらい私も幸せな気持ちになりました。

挨拶は欠かさず、笑顔を絶やさず、感謝の気持ちを常に持つ

英語を話すことや日本の良さについて、海外に出てみて気づいたことは?

日常会話で困ることはありませんでしたが、ボランティア活動中に自分がどんなことをしたいのか、そのためにはどうしたら良いのかを話し合う際に苦労しました。上手く自分の想いを伝えることができず、もどかしい気持ちになることもありました。しかし常に伝えたいことがあるんだ、という意思を見せていたので相手も私が言いたいことを理解しようと努力してくれました。このことから、自分から発信することの大切さを改めて実感することができました。また、私はいつも「挨拶は欠かさず、笑顔を絶やさず、感謝の気持ちを常に持つ」というモットーで取り組んでいました。そのせいか、子どもたちやボランティアスタッフの方に私の笑顔や積極的に取り組む姿勢が素敵だと褒めていただきました。それがまた自信に繋がったと感じます。サンフランシスコに滞在し、日本の安全さと生活環境の清潔さを改めて感じることができました。日本にいるときは当たり前だと思っていたことも、一歩外に出てみればそれはとても守られた、そして恵まれた環境なのだということに気づかされました。日本の「平和」という環境をいつまでも守り続けていきたいと感じました。

サンフランシスコで起きた一番のハプニングは

ボランティア仲間とレジデンス近くの通りを歩いているときでした。一人のアメリカ人女性が泣きながら歩いて来て、私たちに話しかけました。その女性は彼氏に置いて行かれて、お金もなくどうすれば良いか分からないと言いました。私はかわいそうになりその女性の話を詳しく聞き、お金を渡そうとしました。しかしボランティア仲間が騙されているのではないかと指摘し、お金を渡すことをやめるよう言いました。するとその女性は今まですがるように泣いていた顔を上げ、顔色を変えて去っていきました。私はボランティア仲間がいなければ、その女性に騙されていたと思います。全てに疑いの目を向ける必要はありませんが、それを見極める力、そして自分を守る能力が必要だと気づかされました。

不安を和らげてくれるのは「情報」

これから参加される方へのメッセージ

私は性格上とても心配性ということもあり、出発する前は不安で押しつぶされそうになっていました。しかし、その不安を和らげてくれたのは「情報」でした。何故不安になるのかを考えたとき、分からないことが多いからだと気が付きました。それゆえ、日本にいる間にできるだけ現地のことを調べ、知識を増やして分からないことを減らしていきました。具体的な方法として、サンフランシスコが紹介されている本を入手しそれを熟読しました。自分が行く地域の治安や生活環境はもちろん、サンフランシスコの観光地についても事前に学んでいきました。すると不安なことが消えていき、逆に調べていくうちにわくわくした気持ちに変わっていきました。そのおかげで現地ではスムーズに観光も楽しめましたし、マニアックな場所にも足を運ぶことができました。

私は4週間の滞在だったせいか、あれもこれもとたくさん荷物を詰めて行きましたが、実際はそこまで神経質にならなくても日常生活で必要なものは現地で調達できましたから安心してください。アメリカは自由の国だと言いますが、本当に日本とは違った雰囲気を楽しむことができます。これは現地に出向いてみないと味わえないものです。時にはカルチャーショックも受けると思います。しかし全てが貴重な経験であり、自らの視野を広げ価値観も大きく変わります。日本語クラスサポートボランティアに興味がある方は、先生という役割を体験することによって先生の役割とは何なのかを考える良い機会になるのではないかと思います。さらに、日本の教育方針をアメリカの教育方法と比較して見ることもでき、教育に関する視野も広がります。何といっても子どもたちの笑顔は最高です。行ってみたいという意思があれば、そこからぜひ一歩踏み出してみてください。その一歩が、あなたを大きく成長させることに繋がるでしょう。

旅メモ

渡航費
往復で16万円(デルタ航空)
持参した金額
現金 5万円
キャッシュパスポート25万円
クレジットカード
日本を紹介する物、お土産
折り紙、扇子、紙風船、剣玉、習字道具、ハッピ、日本を紹介したオリジナルの写真集


ボランティア先で折り紙や習字道具を使って催し物を行いました。それとは別に扇子や紙風船をプレゼントしたところ、とても美しいと絶賛されお部屋に飾っていただきました。剣玉は子供たちが夢中になって遊んでいました。ハッピは日本を紹介したオリジナルの写真集と共に、日本の伝統的な祭りの服装だと紹介して渡したところ大変喜ばれました。


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