CIEEレポート

CIEEが主催・参加したセミナーやイベント等のレポート

第51回「2015年TOEFLアライアンス主催 英語教育改革フォーラム」開催報告


国際教育交換協議会(CIEE)日本代表部
TOEFL事業部

日時:2015年11月14日(土)、11月15日(日)
場所:14日(土)内田洋行ショールーム、15日(日)大阪府立箕面高等学校
内容:「TOEFLアライアンス主催 英語教育改革フォーラム」

昨年末に2015年度のTOEFLアライアンス(*1)の年次総会「TOEFLアライアンス主催 英語教育改革フォーラム」が2日間にわたり開催されました。前回までは英語教員・TOEFLアライアンス会員・TOEFL iBT® テスト指導者を対象に行っておりましたが、5回目となる今回は一般の方を対象にしたセッションも加え「英語教育改革フォーラム」と題し開催しました。

11月14日(土)

【一般向け】午前の部「グローバル社会で輝くために」

主催者であるTOEFLアライアンス代表・大阪府立和泉高等学校校長の河合克昭先生の挨拶で午前の部がスタートしました。

第51回「TOEFLアライアンス主催 英語教育改革フォーラム」

まず「なぜ英語を勉強するのか」と題し、文部科学省初等中等教育局国際教育課の英語教育改革プロジェクトマネージャーである葛城崇氏にご講演いただきました。高校生にも参加いただけるセミナーということもあり、「今から15年後の日本を思い浮かべてください」という冒頭のお話では、今15歳である中高校生が働き盛りになる30代の頃には、どのような日本になっているのか、という予測を複数の統計を交えてご紹介いただき、英語を勉強することの重要性をご説明いただきました。また、楽天株式会社での社内公用語英語化“Englishnization Project”でリーダーをされていたご自身の経験を踏まえて、英語を勉強する上でのコツなども教えていただきました。

第51回「TOEFLアライアンス主催 英語教育改革フォーラム」

駐大阪・神戸米国総領事館の広報担当領事兼関西アメリカンセンター館長であるキース・ロメル氏の講演では「My Path to a Global Career」と題し、アメリカ総領事館でのご自身の体験談を紹介いただきました。「外交官という仕事を通じて世界中に行くことができ、また多くの人と出会えることは、とても幸せなことだ」とおっしゃっていました。このようなご自身のご経験から、海外に目を向けることの重要性をお話しいただきました。

第51回「TOEFLアライアンス主催 英語教育改革フォーラム」

午前の部の最後のセッションは「大学でのTOEFL® テスト活用事例」と題したパネルディスカッションを行いました。TOEFL事業部部長の根本によるTOEFLテストの概要説明に、松本マスミ先生(大阪教育大学)、田地野彰先生(京都大学)、坂本輝世先生(京都大学)、津田信男先生(甲南大学)、山中司先生(立命館大学)をパネラーにお迎えし、各大学でのTOEFLテスト活用事例をご紹介いただきました。各大学の事例及び取り組みにはそれぞれ特長があり、参加者は熱心に話を聞いていました。

第51回「TOEFLアライアンス主催 英語教育改革フォーラム」

【英語教員向け】午後の部「大学入試改革と発信型英語教育のあり方」

午後の部は、英語教員・TOEFLアライアンス会員・TOEFL iBTテスト指導者を対象に行われました。午前中に引き続き文部科学省初等中等教育局国際教育課の英語教育改革プロジェクトマネージャーである葛城崇氏に「来たるべき大学入試と必要な英語力」と題しご講演いただきました。

その後、TOEFLアライアンス会員である英語教員の先生方とSuper English Teacher(SET)(*2)の先生方に分かれて2部構成でパネルディスカッションが行われました。

前半では「高校でのTOEFL iBT® テストIntegrated Task指導のあり方」と題し、仲田毅先生(司会:立命館宇治高等学校)、森一真先生(大阪府立和泉高等学校)、池谷陽平先生(大阪府立箕面高等学校)、青山祐子先生(近畿大学附属高等学校)をパネラーにお迎えしました。

「TOEFLアライアンス主催 英語教育改革フォーラム」 「TOEFLアライアンス主催 英語教育改革フォーラム」

まず、仲田先生の「Educational Testing Service(ETS)が公開しているSpeaking、Writingセクションの採点基準が新学習指導要綱に重なる部分がある」というお話から始まり、各先生方からTOEFLテストのIntegrated Taskを評価とした場合の指導について発表いただきました。Inputとして「どんな題材を使っているのか」「どのように指導に取り入れているのか」「言語スキルや知識が必要になるが、それはどういうものなのか」「何が必要なのか」「このスキルを生徒に身に付けさせるために、どんな活動をしているのか」などの発表があり、最後にOutputとして、「書かせているのか」「話させているのか」「グループワークをしているのか」「それをどのように評価しているのか」という4つのポイントに観点をおいて、参加者同士が話し合い整理をすることを目標に行いました。

「TOEFLアライアンス主催 英語教育改革フォーラム」 「TOEFLアライアンス主催 英語教育改革フォーラム」

後半のパネルディスカッションは「高校でのTOEFL iBT® テストSpeaking指導のあり方」と題し、溝畑保之先生(司会:大阪府立鳳高等学校)、SETである磯田喜一先生(大阪府立和泉高等学校)・樫本英之先生(大阪府立四條畷高等学校)・山内ジョナサン先生(大阪府立天王寺高等学校)・高木草太先生(大阪府立箕面高等学校)をパネラーにお迎えしました。

「TOEFLアライアンス主催 英語教育改革フォーラム」 「TOEFLアライアンス主催 英語教育改革フォーラム」

司会の溝畑先生からは、「今まで、入試にスピーキングがないこともあり、高等学校の現場ではスピーキングが無視されてきたが、英語活用能力という点において即興型の英語が必要な時代になり、無視できない状況になっている。今後主流になるアクティブラーニングの定義の『海外へ出ることを伴う能動的な学修』を目指す意味でも、スピーキングの重要性は増していくと思う」との挨拶がありました。その後、SETの先生方から「なぜ、今高校生に英語が必要なのか」について、英語と日本語が飛び交うバイリンガルな意見交換が行われました。ご自身の海外経験や留学経験だけでなく、一般企業に勤めたご経験なども踏まえた上で、スピーキングや4技能の重要性をお話しいただきました。

「TOEFLアライアンス主催 英語教育改革フォーラム」 「TOEFLアライアンス主催 英語教育改革フォーラム」

11月15日(日)

【英語教員向け】午前の部 大阪府立箕面高等学校での公開授業

2日目の午前中は英語教員・TOEFLアライアンス会員・TOEFL iBTテスト指導者を対象とした、公開授業が大阪府立箕面高等学校にて行われました。

「TOEFLアライアンス主催 英語教育改革フォーラム」 「TOEFLアライアンス主催 英語教育改革フォーラム」

前半の「箕面高校×ベルリッツ・ジャパン」では、ベルリッツ・ジャパン株式会社の講師と大阪府立箕面高等学校の英語教員、SETの先生方による公開授業が行われました。はじめに先生方が英語でショートコントを行い、生徒の気持ちを和ませてから授業がスタートしました。生徒が先生のことを苗字ではなく名前で呼んでいたのも印象的で、生徒からの質問や意見も多く積極的に課題に取り組む姿勢が見られました。

「TOEFLアライアンス主催 英語教育改革フォーラム」 「TOEFLアライアンス主催 英語教育改革フォーラム」
「TOEFLアライアンス主催 英語教育改革フォーラム」 「TOEFLアライアンス主催 英語教育改革フォーラム」

後半の「箕面高校S.E.T.×GLC」はSkypeを利用した授業で、この日の課題は「日本の迷信について」。事前に日本の迷信について調べ、それをSkypeでフィリピン人講師に英語で伝え、フィリピンの迷信も教えてもらい、それを英語で30秒にまとめてグループ内で発表する授業が行われました。沈黙している生徒や戸惑う生徒はおらず、どの生徒も楽しそうに講師と話し、その後の発表でも、30秒以内に意見をまとめて、堂々と英語で発言していました。この2つの実践的な授業を通して、TOEFLテストで問われるIntegrated Taskのスキルも身に付けることができるプログラムになっていました。

「TOEFLアライアンス主催 英語教育改革フォーラム」 「TOEFLアライアンス主催 英語教育改革フォーラム」

【一般向け】午後の部「グローバル時代を生き抜くために~“英語を”ではなく“英語で”勉強してみよう~

2日間にわたり開催した本フォーラム最後のセッションは、「グローバル時代を生き抜くために~“英語を”ではなく“英語で”勉強してみよう~」と題し、元Google米国本社副社長兼日本法人社長・村上憲郎事務所代表の村上憲郎氏に登壇いただきました。

「国籍ではなくて、地球人であるという意識を持つことが大切で、何事においても英語必須の世界になる」との英語の重要性から、「人工知能が2040年に一気に花開くと言われていることから、○○人対○○人などという枠ではなく、人間対機械という世界の構図になっていく」などのICT活用まで、幅広くグローバル時代を生き抜くためのヒントをお話しいただきました。また参加者である高校生や大学生に向けた英語学習法についてもご紹介いただきました。村上氏の言葉は、生徒・学生のみならず同行していた保護者や、社会人にも響く内容でした。

第51回「TOEFLアライアンス主催 英語教育改革フォーラム」

最後に

参加者からは「日本の英語が確実に変わりつつある躍動感を感じた」という感想をいただき、参考となる情報と示唆に富んだ内容をお届けできたと思います。また、参加者が今後の英語指導における危機感や課題の改善の必要性を痛感していることも感じとれました。今後もTOEFLアライアンス会員の先生方と協働し、より一層多くの英語教育に携わる方々のサポートができるように努めてまいります。

最後に本フォーラム開催にあたり、TOEFLアライアンス代表の河合克昭先生はじめ、登壇いただきました講師・先生、サポートいただきました多くの関係者のご理解とご協力に、厚く御礼申し上げるとともに、参加者の皆様にも貴重なお時間をいただきましたことをこの場を借りまして心より御礼申し上げます。

第51回「TOEFLアライアンス主催 英語教育改革フォーラム」

TOEFLアライアンスの活動に関しては、下記Webサイトでご確認ください。
TOEFLアライアンスの活動>>

(*1)TOEFLテストのコンセプトを中学・高校の英語教育に取り入れ、世界基準での英語力の養成を図ることを目的に設立された会です。早い時期から、世界を見据えた英語力を指標にすることで、高いレベルでの4技能習得を目指しています。
(*2)大阪府はTOEFL iBTテストのハイスコアを持つ方をSuper English Teacher(SET)として採用しています。詳しくは大阪府のHPでご確認ください。
平成28年度 Super English Teacher(SET)の採用選考について

上記は掲載時の情報です。予めご了承ください。最新情報は関連のWebページよりご確認ください。