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達セミに学ぶ 英語学習のヒント

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英語教師による英語教師のための情報シェアの場「達人セミナー」通称「達セミ」をご存知ですか。毎週のように自発的かつボランティアで全国各地にて開催され、それぞれの授業方法を公開しシェアしています。基本的には中学・高校の教師の方々が中心ですが、その授業には英語を楽しく学ぶヒントがたくさん隠されています。その中から毎号1名の先生にレポートしていただきます。

今回のヒントはこれ:

  • 「英語の暗記はリズムにのって!」

西 巌弘(にし いつひろ)先生

広島市立舟入高等学校
西 巌弘(にし いつひろ)先生

忘れられない記憶を作る

「去年の授業でリズム音読をしたあの例文、すごく役に立った。」
高校1年生のときに教えた生徒が、それから約一年たって私に報告してくれました。あのとき覚えた5文型の例文が、模擬試験で大いに役立ったそうです。辞書やノートを見なくても、頭脳の引き出しから「さっ」と例文がでてくる。基本的ですが理想的な状態でもあります。

ここで行ったのが、『リズム・リーディング』です。これは、リズムに合わせて例文を何度も読むことで、単に例文を暗記したということにとどまらず、大切な例文などは、「忘れたくても忘れられない」記憶へと昇華できる活動です。

『リズム・リーディング』に必要なもの

では、実践。まず、必要なものは、「例文ノート」と「リズム機器」です。

「例文ノート」:例文ノートは、教科書や問題集などの教材から英文を抜粋して作るのが簡単ですが、辞書・洋書・洋雑誌などの素材から収集してもよいでしょう。テキストの重要な部分に線を引いただけでもかまいません。最初は5~10語程度の短い文から始めた方がよいでしょう。

ノートの左ページ
ノートの右ページ
  例文 意味 きっかけ
[1] I found it easy to solve that problem. 私はあの問題を解くのは簡単だとわかった。 I found
[2] It is dangerous to swim in this river. この川で泳ぐのは危険だ。 It is
[3] To swim in this river is dangerous. この川で泳ぐのは危険だ。 To swim
[4] This river is dangerous to swim in. この川で泳ぐのは危険だ。 This river
[5] The woman who I thought was her mother turned out to be a total stranger. 私が彼女の母だと思っていたその女性は、全く見知らぬ人であるとわかった。 The woman

「リズム機器」:リズム機器は、シンプルなリズムが刻めて、テンポを変えることができるものがよいでしょう。これには、大別して3種類あります。

  • [1]音楽用のドラムマシン・・・大きいので、持ち運びには不便ですが、リズムパターンやテンポを変える操作も簡単にできます。
  • [2]コンピューターのフリーソフト・・・無料でダウンロードして手軽に始めることができます。「リズムマシン フリーソフト」で検索してみてください。
  • [3]iPod / iPhone / iPadのアプリ・・・これは、[2]に比べて操作がしやすく、便利です。iTunesのAppストアで「リズムマシン」で検索するといくつか出てきます。

例文をリズムにのせる

必要なものがそろったら、リズム機器を置き、例文集を手に持って、背筋を伸ばしてスタートです。

例文
[5]The woman / who I thought was her mother / turned out to be / a total stranger.

8ビートのリズムにのせて、1小節ごとにスラッシュで区切った長さを目安にリズムにのせて読んでいきます。

  The woman   who I thought was her mother   turned out to be   a total stran- ger  
1 2 3 4 1 2 3 4 1 2 3 4 1 2 3 4

という感じです。♪

もし、フルセットで練習すれば次のようになります。

  • [1] 例文を見ながら、ふつうの速さ(100程度)で、3~4回
  • [2] 例文を見ながら、少しずつ(20~30ずつ)テンポを上げて、2~3回
  • [3] 例文を見ずに、2~3回
  • [4] 例文を見ずに、限界の速さ(180~220程度が面白い)で、2~3回
  • [5] もとの速さ(100程度)に戻して1~2回(すごく遅く感じられるはずです)

この時点で、例文ノートの右ページの「意味」もしくは「きっかけ」を見ながら、暗誦してみましょう。不思議なくらい、すぅーっと英語が口から出てくるはずです。

日頃の学習でどう使うのか?

「これは絶対!」という例文は、以上のような方法で暗誦しておきましょう。
そうすれば、英語が「音」として記憶に残るので、「文法」「語彙・表現」「発音」についての知識を、瞬間に引き出せる、実用可能なレベルのものにすることができます。

  • [1]「文法」の強化・・・文法の単元ごとに3~5の例文を厳選して暗誦してみる
  • [2]「語彙・表現」の強化・・・教科書本文の重要表現などを暗誦してみる
  • [3]「発音」の強化・・・Betty BotterやPeter Piperなどの早口言葉を暗誦してみる

周囲の環境に音楽があふれる中、英語学習でもノリやリズムがあれば学習はさらに楽しくなること間違いなしです。テキストの例文であれ、早口言葉であれ、リズム機器を片手に密かな特訓に励んでみてはいかがでしょうか。

For further information…

書籍
「目指せ!英語授業の達人14
ワードカウンターを活用した驚異のスピーキング活動22」西 巌弘著(明治図書)
DVD
「『受験』に役立つ! 高校生のためのスピーキング活動例
~ワードカウンターの効果的活用法~」(ジャパン・ライム)

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