TOEFL メールマガジン

言葉の玉手箱

バックナンバーはこちら

英語に限らず外国語を学習していると、言葉の世界の奥深さに気付かされます。古来の日本人は言霊(ことだま)と評して、言葉には霊が宿り、見えざる力を働かすのだと考えました。使い慣れた短いフレーズの中にもコミュニケーションを左右するほどの力があるのです。

毎回ご好評をいただいているこのコーナーでは、テンプル大学ジャパンの川手 ミヤジェイエフスカ 恩先生が、異文化間コミュニケーションにおける言葉の使い方の重要性に焦点をあて、興味深く解説してくださいます。言葉の世界の面白さをお楽しみください。

>Dr.川手 ミヤジェイエフスカ 恩(めぐみ) Dr.川手 ミヤジェイエフスカ 恩(めぐみ)
テンプル大学ジャパンキャンパス教養学部
(Megumi Kawate-Mierzejewska, Ed.D., Temple University, Japan Campus)
2000年より、ETS公認コンサルタントを務めてきた。
専門分野:中間言語語用論(Interlanguage Pragmatics)

外来語『サービス』の意味(その2)
有償?無償?

前回に引き続き、英語にも日本語にもある『サービス』という表現について考える。今回はこの言葉が、英語で使われている時は全て「有償」なのか、それとも「無償」のこともあるのかということを中心に私たちがよく目にする書かれた媒体での『サービス』に焦点をあてて考えてみる。

ここでは、誰もが一度はお世話になったことがあるだろうと思われる、ホテルのサービスについて考えてみたい。ホテルのサイトをみると様々なサービスが列挙してあるが、一番誤解を招きやすいのがインターネットに関するサービスだろう。結論から言えば、日本では、中級以上のホテルのインターネットサービスは無償である場合が殆どなのだが、海外ではそういうわけではないということだ。例えば、海外の5つ星とか4つ星クラスのホテル(俗に言ういいホテル)のサイトのサービス・アメニティ(Services & Amenities)というカテゴリーの下に、“ High-speed Internet in guest rooms, Business center, Fitness center on-site, Indoor pool” などと列挙してある場合、インターネットサービスは有償であると考えてよい(VIPルームに宿泊する場合はこの限りではない)。インターネットに関する限りここにあるサービスというのは、必要であれば各部屋で高速回線のインターネットを有償で使用することができるという場合が殆どだ。無償である時は、“free internet-service”というように無償であるということをはっきりと書いてあることが多い。従って、日本国内に同系列のホテルがあり、そのホテルのインターネットサービスは日本国内では無償であっても、海外に出ればそれぞれの国の事情もあり、有償であることが多いようだ。このインターネットサービスに関して言えば、日本国内のホテルでは無償というのが当然のようになっているので、その背景の知識をもってすれば海外のホテル、それも一泊一部屋2万円以上はするようなホテルで、このサービスが有償とは驚きであるが、ホテルがインターネットのプロバイダーなどと契約を結び、宿泊者はプロバイダーからパスワードなどを購入し、サービスが受けられるシステムも整っているようだ。

次に“Fitness center on-site”とか“Indoor pool”を考えてみると、興味深いことに、これらに関しては、日本国内のホテルと海外のホテルではサービスの意味が違うようだ。つまり、海外のホテルではこれらは宿泊客全員に対する無償のサービスであることが殆どだ。ところが日本国内では、これらのサービスは殆どのホテルで、有償であることが多い。

以上、2回に渡って『サービス』について考えてみた。ホテルに泊まるときは様々なサービスが提供されるが、国によって『サービス』の意味が違うかもしれないということを忘れないで楽しいひと時を過ごしてほしい。

▲このページのトップへ戻る▲