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達セミに学ぶ 英語学習のヒント

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英語教師による英語教師のための情報シェアの場「達人セミナー」通称「達セミ」をご存知ですか。毎週のように自発的かつボランティアで全国各地にて開催され、それぞれの授業方法を公開しシェアしています。基本的には中学・高校の教師の方々が中心ですが、その授業には英語を楽しく学ぶヒントがたくさん隠されています。その中から毎号1名の先生にレポートしていただきます。

今回のヒントはこれ:

  • 「君も多読istになろう!」

北星学園大学 短期大学部 英文学科
竹村 雅史先生

「多読ist」って何? と思われた方も多いかもしれません。英語学習に於ける多読とは、一般的には、学校から指定された長めのテキストを、夏休み・冬休み等を利用して最初から最後まで読み通すことを指しますが、ここで言う多読とは、様々な語彙レベルに制限された本(Graded Readers)の中から、学習者の一人ひとりが、興味や関心を抱いた本を自由に選び出し、どんどん読み進めていく読み方を意味します。最近では、大きな本屋さんや図書館に、多読コーナーが設けられるようになりましたし、学校の図書館に友達と読みたい本を頼むのも手かも知れません。また、友達同士で面白そうな本を決めてワンコインで回し読みしながら、本を増やしていくこともできるでしょう。とにかく、押しつけられるのではなく、自分で選び、楽しんで読書を重ねながら、語彙レベルや読解力が自然に身についていく方法です。「多読ist」とは、「本を読む楽しみ」を、英語でも感じられる人のことなのです。

ただ、これらのテキストを読む際に注意しなければならないことが3つあります。電気通信大学の酒井邦秀先生の提唱されている「多読3原則」を守ることです。

第1原則「辞書は引かない」
辞書を引かなくても楽しめる本を何冊も読むことです。辞書を引きながら読む本は、自然な流れが妨げられて内容を楽しむことができません。英語を英語として理解できるレベルの本であることで、単語の意味を確認し分析しながら読む癖がなくなります。
第2原則「わからない部分は飛ばす」
わかっているところをつなげて読んでいき、話の内容を優先させることです。細部にこだわらないことで、文脈の中から意味を捉えていく力がつきます。
第3原則「進まなくなった本は後回し」
わからなくなってくると、つまらなくなってきます。その際は、途中であっても思いきってその本を止めて、また違う本を探し出し読み始めることです。これは、読書の意欲を持続させるために必要なことですし、自分に合う本を見つけ出す力にも繋がっていくのです。

英文を読む動機は人それぞれですが、これを維持する根幹部分は、「楽しい」という本来の読書の喜びに起因すると言われています。Nuttall(1996)は、読書を好循環と悪循環の二つのパターンで表しています。すなわち、興味・関心が持てることによって→「読書が楽しい」→「速く読める」→「多く読める」→「よりわかる」の好循環につながっていきます。これに対して、悪循環は「読書が楽しくない」→「読む量が減る」→「理解できない」→「読みが遅くなる」、その結果、本来の読書による興味・関心は薄れていくのです。

試験や教科としての英語ではなく、自分に合った英語の本をこよなく楽しむことが、リーディングの力を伸ばす秘訣です。あなたも、多読istの仲間になってみませんか?

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