TOEFL Mail Magazine Vol.67
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生涯英語のすすめ For Lifelong English
様々な世代の人々が様々な場で、生涯を通して何らかの形で英語にかかわって仕事をしています。
英語は人それぞれ、その場その場で違います。このシリーズでは、英語を使って活躍する方にお話を
聞き、その人の生活にどう英語が根付いているかを皆さんにご紹介し、英語の魅力、生涯にわたる楽しさをお伝えしていきます。
英語はこんなに楽しいもの、英語は一生つきあえるもの。ぜひ英語を好きになってください。
[For Lifelong English|生涯学習としての英語]バックナンバーはこちら>>

第10回
英語で落語!?噺家 林家染太さんに聞く! その3

鈴木 佑治先生

鈴木 佑治
立命館大学生命科学部生命情報学科教授


今回のインタビュー

林家染太さん

林家染太さん 愛媛県松山市出身。
本名、荻山志行 (おぎやましこう)
1975年10月5日、大学教授の父と薬剤師の母のもとに
長男として生まれる。
幼少の頃から人を笑わせる事が大好き。
松山北高校では応援団で活動。
関西大学入学後、落語研究会に所属、落語に魅了される。
在学中は学業と落語を両立し教員免許取得。
また学費を稼ぐために人力俥の俥夫(京都観光案内)から家庭教師まで、現在の芸事に繋がる
アルバイトにも積極的に励む。
英会話学校 「HOEインターナショナル」では英語落語を勉強し、在学中にアメリカでの海外公演を果たす。(地元の新聞、テレビで絶賛される)
2002年に噺家、林家染丸(上方落語協会 副会長)に弟子入り。
3年間の厳しい修行生活を経て、落語会、各イベント、テレビ、ラジオを中心に活躍中。
2005年夏、ニューヨーク公演を果たす。
2007年夏、カナダ・バンクーバーにて英語落語公演を成功させる。

ホームページ『林家染太の俺色にソメタ!』 爆笑ブログ更新中です。




林家染太さんと鈴木佑治先生

前々号より、落語を英語で発信するというユニークな噺家・林家染太さんのインタビューをお届けしています。

最終回となる今回は、日本人が持つユーモアの
文化や、落語と健康、英語落語で描く今後の夢などについてお話を伺いました。


※笑いあふれる対談でしたので、笑いのあった箇所にはを挿入しています。

日本人はユーモアが乏しい!?
鈴木 今あれだけ吉本興業などお笑いが若者カルチャーの中心になっているのに、漫画がこれだけ世界中に広まっているのに、日本人はユーモアが足りない、と思われている。

林家

そうですね。国民性として引っ込み思案というか、あまり主張しないと言われますね。
大阪に来たら正反対ですけど(笑)。海外へ行って落語をすると、多くの外国の方は「日本人がパフォーマンスやりますよ」というと、「え?何すんねん何すんねん」とすごく興味があるみたいです。特に落語なんか初めて聞く方ばっかりで、拍手喝さいでおもろかったってありがたいことを言うていただけるんです。「今まで日本に対して、ビジネスに関してはプロだけど、笑いに
関しては乏しい民族だと思っていたのに、江戸時代、400年前からずっとこんな面白い文化が
あるなんて聞いて、今日はすごくびっくりした、楽しかった」と驚かれたりします。
鈴木

これからは、まず日本にユーモアがある、ということを発信していかなければなりませんね。
まず笑ってもらわなくちゃ。そして日本語がわかるともっと面白いぞと、思わせる。英語落語で日本のユーモアの世界を伝えるとは、すばらしいことです。最後にオチをつけるこの日本の
機智はイギリス並だと思うんです。こう見えても僕は、アメリカのコ林家染太さんと鈴木佑治先生メディアンが大好きだったんです。昭和30年代は落語、漫才が好きで、ラジオでずっと聞いていたから、落語とおつなユーモアをアメリカのコメディ聞いた時に感じたんです。ユーモアはどのカルチャーにもなくてはならない根本的なものですね。僕は、アメリカの友達を笑わせるのが大好きです。英語で笑わせる日本人は少ないですよね。僕もその仲間に入れてください。

林家 笑い
鈴木 英語では古くからパニング(Punning: だじゃれ)があります。たとえばシェークスピアの
『ヴェニスの商人』でシャイロックが靴底でナイフを磨くのを見て、「お前はsole(靴底)じゃなくてsoul(魂)を磨いたらどうだ」なんていうくだりがあります。昔はこれがウケたんですよ。
シェークスピアは、オチをつけるのが上手かったようです。シェークスピアの芝居には道化が
なくてはなりません、punsを次々と飛ばして笑いをとりますが、それが真理をつくのですよ。
林家

そういえば、「アイスクリーム」という英語小噺があるんですけど・・・
“Hello.”
“Oh, you! Please come here. Please have a seat.”
“Thank you. I am very hungry.”
“What? You are hungry?”
“Yes, I am very hungry. And I love ice cream.”
“What?”
“I love ice cream.”
“I’m sorry .I don’t have ice cream.”
“No, I love ice cream. Ice cream loves me. We love each other, please.”
“O.K. You love ice cream?”
“Yes, I love ice cream.”
“Come close. Come closer. WAAAA!”
“Wow! Why did you kill me?”
“Yes, because you love ice cream. So I screamed!”

鈴木 笑いそう、まさにそれです。昔から歌にあります。I scream, you scream, everybody screams for ice cream. アイスクリーム屋さんの歌で、一種のpunです。ここではscream for は
「叫び求める」ですが、染太さんはscreamで「キャット叫ぶ」としたところが凄い。

落語で笑って健康に
鈴木 言葉だけでなく、落語を見ていると、間があったり、表情があったり、それが何とも面白い。
たとえば、蕎麦をすするとか。

林家

こうですか?(実演)
鈴木  それです。あれで皆さん笑うでしょう?
林家

そうですね。一緒にやってもらったりします。 「これは日本では悪い作法ではないんですよ」と 教えながら。 使うのは、張り扇(はりせん)と小拍子、手ぬぐいだけですが、字を書いている
ところ、盆栽を切っているところ、さまざま表現できるんです。
お客さんにも喜んでもらえますしね。

鈴木 『間』はどうですか。ニューヨークと大阪では、ウケ方が変わりますか?
林家 いいえ、それがおもろいところで、変わらないんです。ボケ、ツッコミ、笑いという、この方程式は海外でも通用するな、と思いましたね。英語落語するときは、 アクションの多いものを、
なるべく選んでやるようにしています。
鈴木 落語が好きな人には健康な人が多いと聞きます。いつも笑っているから。
林家 そうですね。以前、少し体の具合の悪い方が、落語漫才を見る前と後で採血して血の流れを
見たら、見た後の方が血の流れがさらさらだったと聞いたことがあります。
鈴木 それは実際に、脳神経科の先生が研究されているようです。とてもよいリハビリです。
死亡率が低く、延命率が高くなってくる。心から笑って健康にもいい。言うことなし!ですね。
林家 そのとおりです。笑い
鈴木 今高齢化で、お年寄りが塞ぎこんじゃっていたりしますけど、お年寄りの中には
英語のできる人もたくさんいるから、どんどん聞きに来て欲しいですね。
林家 ええ。よくお越しになりますよ、英語落語会の方にも。皆さん伝統のある落語を英語で聞いて
笑えることが、すごく心地いいんですよね。僕も含め、あまり英語ができない人でも、英語で
笑ってみたい、とい う人が増えたら面白いと思います。

今後の夢
鈴木 これから英語落語のお仲間とどうなされていきたいですか?

林家

まだまだ修行中ですから、どんどん芸を磨きつつ、世界中いろんな所へ行ってたくさんの人を笑わせたいですね。まだカナダとアメリカしか行ったことがないので、ヨーロッパ、アジアなども行ってみたいです。英語落語もまだ発展途上ですので、ライフワークとしてずっとやっていきたいです。
鈴木 林家さんのような、若い人で志望する人も多くなるでしょうね。
林家 そうであれば嬉しいですね。
鈴木 お弟子さんに日本語の落語を教えるのもいいですが、日本の落語のスタイルの新作落語で
コメディを流行らせるのは難しいですかね?これから伝統を作っていく意味でも。
林家 面白いと思います。発展性のあるいい話ですね。
鈴木 今、染太さんのお仲間の外国の方で落語を教えている人が、アメリカの面白い小噺を落語調で日本人に話してくれたら、みんなウケるでしょうね。世界落語大会みたいな。
林家 ワールドカップみたいなの、やりたいですね!夢ですね。ドイツ人の細かな芸がうまいなとか、あそこのロシア人の人情話が凄いとか。
鈴木 林家さんもTOEFLテスト受けて、ぜひこれから英語落語を極めていただきたいですね。
これを機に、僕も日本の重要な伝統文化、上方落語を発信するお手伝いがしたいです。
林家 大阪から世界へ。夢はもうカーネギーホールで、どでかく。笑い
鈴木 アポロシアターで、津軽三味線なんか弾きながらやったら、みんな大喜びですよ。
林家 ああ、やりたいですねぇ!

● 染太さんの小噺 その3 ●

林家: 以前大阪で電車に乗ってたら、おっちゃんとおばちゃんが座ってて、おばちゃんがちょっと
おなか痛かったらしく、プップッとおならしはったんです。それがすごい車内に響いて。
そしたらそのおばちゃん、旦那さんに向かって「あんた、林家染太さんと鈴木佑治先生おなか痛いの?」と旦那のせいにしたんですよ!
そしたらそのおっちゃんが、「ほんなら何かい、わしが腹痛かったらお前屁こくんかい」言うて。

鈴木:笑い笑い
そりゃ、英語で発信しなければ!万国共通の笑いですね。
ネタだらけじゃないですか。

林家:大阪はユーモアの土地ですね。前にテレビのレポーター業で、ジャンジャン横丁にある
串かつ屋さんに行ったら、看板に「一串どれでも百円」と書いてあるんですよ。
安いなー思うて「一串どれでも百円ですか?」「どれも百円やで」というわけで、一番高そうな大きな
車海老を「それ下さい」「あいよ」。そしたら車海老に串が5本刺さっているんです。5本刺さってて5百円!
こんなんやったら普通詐欺やと思うけど、大阪は「おもろい、おもろい」て。

鈴木:笑い


鈴木の一口コメント
日本古来の落語は本当に重要な無形文化財です。アメリカのリチャード・プライヤーという有名なコメディアンは、彼が若かりし頃よく通ったアフリカ系アメリカ人の小さなスナック・バーに通う人たちの会話を
そのまま再現しました。それが面白いのです。人間模様が良く分かります。落語にも江戸時代の庶民のたわいない日常生活をそのまま描いて笑わせるのがありますね。
染太さんと実際に会い、見て聞いて話すとたわいの無い話なのについ笑ってしまいます。ラスベガスで
英語落語のショーも夢ではなさそうです。

 

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