TOEFL Mail Magazine Vol.57 May2007
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言葉の玉手箱

英語に限らず外国語を学習していると、言葉の世界の奥深さに気付かされます。古来の日本人は言霊(ことだま)と評して、言葉には霊が宿り、見えざる力を働かすのだと考えました。使い慣れた短いフレーズの中にもコミュニケーションを左右するほどの力があるのです。
毎回ご好評をいただいているこのコーナーでは、テンプル大学ジャパンキャンパスの川手 ミヤジェイェフスカ 恩先生が、異文化間コミュニケーションにおける言葉の使い方の重要性に焦点をあて、興味深く解説してくださいます。言葉の世界の面白さをお楽しみください。

テンプル大学ジャパンキャンパスの川手 ミヤジェイェフスカ 恩先生


第25回:『おっしゃるとおりにさせていただきます』が英語になると?

 今回は、日本人がよく使うとされる『なんでもOK』、つまり『おっしゃるとおりにさせていただきます』という意図をあらわす表現に焦点を当ててみる。本表現は、日本語においては、聞き手の状況を配慮したり、聞き手の考えを優先して自己主張を控えておく時や譲歩する時などに使われ、好意的な表現と解釈されることが多い。では、この概念を英語であらわすとどうなるのでしょうか。
  この表現を直訳すると、“whatever”ということになるわけで、実際この表現を頻繁に使っている日本人英語話者もいるようだ。そういえば、先日、米国から一時帰国をした友人によれば、彼女のような英語上級話者でも、英語の“whatever”というのが、好意的な表現であると信じてしばらく使っていたらしい。彼女の場合は、ある日、レストランに行って、『何食べる?』ときかれて“whatever”といったら、友人が不快そうな表情をしたので、思い切って“Does whatever sound rude?”ときいたら、友人は“Ye:::ah::”と答えたらしい。それで、じゃあどう言えばいいのかをたずねたら、“Whatever you like”といえば“it doesn’t sound rude”といわれたらしい。それをきいた時、彼女は、他の状況でも何回も“whatever”を使ったのを思い出したという。例えば、数回にわたる電子メールのやり取りの末に合意をしなければならないような状況になり、彼女としては相手の考えを優先して譲歩する意向で、好意的表現と信じて何回も“whatever”を使ってきたようだ。そこで、彼女は、ついでに『そのような状況では“whatever”という表現はどう解釈される?』という質問をしてみたところ、“very rude”で、相手はかなり不快に思ったに違いないと言われたという。更に、『相手は君が投げやりな気持ちで譲歩してきたと思っているに違いない』とも。そして、それに付け加えて『君は、もうそういう人物だと言うレッテルを貼られちゃってるかもね』と。彼女にしてみれば、相手の立場を配慮して(おそらく遠慮もし)好意的な気持ちで譲歩したであろうに、言葉の使い方ひとつでこのような誤解を招いてしまうようだ。おそらくこのような状況では、『それでは、おっしゃるとおりにさせていただきます』と言うのではなく、相手の考えをほめてから、積極的に同意を表明したほうがいいのかもしれない。
TOEFLメールマガジンイメージ画像 次に、この表現を聞いて日本人英語話者はどう思うのだろうか。これも興味深いことにどうやら多くの日本人英語話者は、英語母語話者の使う“whatever”を、好意的にそう言ってくれていると解釈しているようだ。結果から考えれば、この表現と共に相手は譲歩するわけなので理由がどうであれ好意的なのかもしれないが。。。以前、英語母語話者と国際結婚をしている友人たちと食事に行った時、ある友人が『うちの主人は、何でも私に任せてくれるのよ。どんなお伺いをたてても“whatever”といって、私の好きなようにさせてくれて、文句一つ言わないのよね。本当にいい人だわ』と話していたのを覚えている。当時の彼女にとっての“whatever”は、『なんでも君の思うようにしていいんだよ』という好意的なものであったに違いない。当のご主人はと言えば『どうでもいいや』と投げやりな気持ちで譲歩していたのかも知れないが。。。(ちなみに、それからかなりの年月が経って、彼女は、やっとご主人の真意がわかってきたという)。
  以上、“whatever”に関しての考察を試みた。もちろん、会話における韻律的特長をも考慮に入れる必要はあるが、この表現は英語では“rude”と解釈されることが多いことを覚えておきたい。

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