TOEFL Mail Magazine Vol.55
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TOEFLメールマガジン-言葉の玉手箱-

英語に限らず外国語を学習していると、言葉の世界の奥深さに気付かされます。古来の日本人は言霊(ことだま)と評して、言葉には霊が宿り、見えざる力を働かすのだと考えました。使い慣れた短いフレーズの中にもコミュニケーションを左右するほどの力があるのです。
毎回ご好評をいただいているこのコーナーでは、テンプル大学ジャパンキャンパスの川手 ミヤジェイェフスカ 恩先生が、異文化間コミュニケーションにおける言葉の使い方の重要性に焦点をあて、興味深く解説してくださいます。言葉の世界の面白さをお楽しみください。


テンプル大学ジャパンキャンパスの川手 ミヤジェイェフスカ 恩先生


第23回:内・外関係が英語になると?

 以前に何回かにわたって英語での呼称について考えてみたが、今回はそれをもう少し広げてみる。さて、日本語社会で使われる呼称としての職業のタイトルや、日本社会にある内と外という概念のもとに使い分けられる呼称が英語でも使われるのだろうか(本稿では、便宜上、『松村たか子』と『ダグラス・ケニー』という架空の名前を使う)。
 まず、英語では日本語のような呼称の使い方はしないようだという結論を述べておく。つまり、英語では『職業のタイトル+苗字』『呼称+苗字』という形をとるわけだ。日本語のように職業のタイトルだけを使って自分のボスを呼んだり、内・外関係による日本語にあるような呼称の使い方はしないようだ(状況によっては皆無というわけではないのだが、まずないと言っておこう)。さて、そこで問題になるのが、日本人英語話者が、日本語社会で使われている概念をそのまま使ってしまうとどんな誤解を招くかということである。
言葉の玉手箱 職業のタイトルといえば、北米で教鞭をとる友人がある時、学長からメールをもらった際に返事を書いたのだが、その時、とても急いでいたので無意識的に『Dean』というはいりのメッセージを返してしまい、後に同僚から、その呼び方は失礼であるというのを教わったという。やはり、『Dean +苗字』が適切であるようだ。どうやら、日本語でいうところの『学長、メールをいただいた件でご相談があるのですが。。。』というようなわけには、いかないらしい。
 更に、松村博士は、先日、某大学のとある学科の日本人若年秘書から講演依頼の件で "Kenny and I would like to invite you... If you are interested in..., please get back to either Kenny or me..."というような英語のメールをもらったそうだ。博士はその文面よりKennyというファースト・ネームをもつ教授からの依頼なのだと考えていたという。ケニーという響きにより、それがファースト・ネームであると思い込んでしまったところもあるようだ。いずれにしても、博士がKennyというのが苗字だと知っていればこの時点で、メッセージにある名前の呼び方は、日本語社会からの転移なのかと気づいたのかもしれないが。博士は、このメールをもらって、秘書の英語の書き方に関して、普段は呼び捨てにしているのかもしれないが、英語で正式なメールを書くときは『Professor+苗字』とでもすればいいのにと思ったという。また、当教授は、皆からKennyと呼んでもらいたいのだろうか、などとも考えたらしい。この時点では、まさか秘書が日本社会にある内と外という概念のもとに、自分のボスなので呼称を使わないで(Professor Kennyとは言わず)教授の苗字だけを使ったのだとは想像もしてなかったという。それからしばらくして、教授の名前を拝見した時に、Douglas A. Kenny, Ph.D.となっていたので、そこで初めて、Kennyが苗字であると知ったそうだ。一言付け加えておくと、日本語でメッセージを送る時は苗字の呼び捨てでよかったわけなのだが。
 以上、英語でメッセージを書くときは、職業のタイトルを使うのであれば苗字も必要となり、秘書とボスという社会的上下関係では、内・外関係による日本語にあるような呼称の使い方はせず、当人宛でない限り必ず呼称をつけたほうがよさそうだ。当人宛のときは、書き手と相手(当人)の関係(主に親密度)を考慮して、相手を呼べばいい。

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