TOEFL Mail Magazine Vol.49
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言葉の玉手箱

英語に限らず外国語を学習していると、言葉の世界の奥深さに気付かされます。古来の日本人は言霊(ことだま)と評して、言葉には霊が宿り、見えざる力を働かすのだと考えました。使い慣れた短いフレーズの中にもコミュニケーションを左右するほどの力があるのです。
毎回ご好評をいただいているこのコーナーでは、テンプル大学ジャパンキャンパスの川手 ミヤジェイェフスカ 恩先生が、異文化間コミュニケーションにおける言葉の使い方の重要性に焦点をあて、興味深く解説してくださいます。言葉の世界の面白さをお楽しみください。


テンプル大学ジャパンキャンパスの川手 ミヤジェイェフスカ 恩先生


第22回:言葉に付随する意味 (その5)〜 英語での依頼表現 (2)
      要求?文句?それとも依頼?

 前回に引き続き、言葉に付随する意味について、『外国語での発話には、感情の移入が、適切にできないのではないか』というところに焦点をあてて考えてみる。今回は、依頼を談話の中で捉えた場合、日本人英語話者は、物事に対処していく過程で、どのような形で依頼をし、どんな誤解を招いているのだろうか。
 日本人英語話者は、苦情を言う時はどのような形をとるのであろうか。また、それには、何らかの傾向があるのだろうか。ごく一部の日本人英語話者に限られるのかもしれないが、どうやら、日本人英語話者は英語を話す際に、感情の移入がうまくできなくて『要求とも文句とも依頼とも区別のしがたいような形で、不満を述べることによって自分の要求を満たそうとする』という印象を与えてしまうことがあるようだ。そして、その言い様は、話し手である日本人英語話者は感じていないようだが、英語母語話者にとっては、かなり『辛らつなもの』であるとも聞く。
 先日、お会いしたスミス博士によれば、最近、彼の同僚に、日本人英語話者から要求とも文句とも依頼とも区別しがたいようなメッセージが届いたという。その、メッセージは、まず、苗字呼び捨てから始まり(本来であればDear Dr. XXX となるべきところがDear XXXになっていたという)、メッセージの口調は強く『先日、お話になっていたXXXという参考文献が見つかりません。それなしでどうやって勉強しろとおっしゃるわけですか。図書館に行けばあるっておっしゃったじゃないですか (I can't find XXX. How can I study? You told me I can find it at the library)』というような形でのものであったという。彼の同僚は、いきなりこのような口調でのメッセージをもらって『随分辛らつなものの言い方をしてくるなあ』と思ったという。ちなみに、その参考文献は実際、図書館にあったのだが、その日本人英語話者が、なんらかの理由で見落としてしまっただけであったようだ。
 同じような話はスミス博士にもあるようだ。やはり苗字呼び捨てから始まるメッセージなのだが、こちらのほうは『先日、ご紹介いただいた本を購入したのですが、XXXという事項に関して書いてある章がないじゃないですか。この本にそれが書いてあるからとおっしゃるので買ったんですよ (I bought a book you recommended. But I can't find a chapter I am looking for. You told me that I can get a lot of information about XXX in this book)』というような口調で。更に、こちらのほうは、話がこれで終わっているわけではなく"What time is convenient if I drop in your office?"と博士の都合も聞かずに、明日、尋ねてくるという自分の予定を送ってきたという。このようなメッセージをもらい、スミス博士は『ずいぶんdemandingだなあ』と思ったらしい。結局このケースも何らかの理由で本人がその章を見落としていたらしく、後日『ありました』という報告がはいったという。ここでも、日本語の達者なスミス博士はおっしゃるのだが、この学生にしても日本語を話している限りはとても丁寧なのに英語だとなぜそんなにdemandingになってしまうのだろうかと。
 以上、今回は2つのケースを例に取り、英語での発話に感情の移入が適切にできないために生じた誤解に焦点をあててみた。母語を使って言いにくいことは、外国語を使っても言いにくいことのはずであるということをどこか、頭のすみに置いておきたい。したがって、感情移入がうまくできない、外国語(第二言語)での発話は慎重にということなのだろうか。何気なく使っている英語をもう一回振り返って考えてみる必要があるのかも知れない。

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