TOEFL Mail Magazine Vol.48
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特集!Temple 
            University, Japan Campus〜英語教育界への挑戦と高校生の旅立ち〜
まだまだ寒い4月の上旬。この春高校を卒業した学生たちがそれぞれの大学の門をくぐる中、米国大学日本校Temple University, Japan Campus(以下TUJ)に進学を決めた学生たちがいます。
TUJは2005年2月、文部科学省より「外国大学の日本校」として日本で初めて正式に指定されました。世界の約40カ国から集まる国際色豊かな学生に対応し、米国の大学教育の特徴とその水準を日本の社会に提供することを使命としているTUJでは、全ての授業が英語で行われ、その内容および取得する単位・学位も米国ペンシルべニア州の本校と全く同じです。
そのTUJでは、高校生を対象に「10日間集中春の英語コース:コミュニケーション上達法」として、日本にいながら外国で授業を受けているような体験のできるプログラムを毎年開催しています。このプログラム企画者貫井康行さん(TUJ・大学附属英語研修課程オフィスマネージャー)に、米国大学日本校の持つ意義や、学生のことなどについて語っていただきました。また、TUJに入学を決めた「卒業したての高校生」3人に、このプログラムの感想、そして英語に対する熱い思いを聞いてみました。

プログラム企画者・貫井康行さんに聞く    ● プログラム企画者・貫井康行さんに聞く ●


   貫井 康行(ぬくい・やすゆき)さん
   Temple University, Japan Campus
   大学附属英語研修課程
   オフィスマネージャー


---高校生を対象とした「10日間集中春の英語コース:コミュニケーション上達法」を提供している背景についてお聞かせ下さい。
 現代はメール1本で世界のどこにでも瞬時にしてコミュニケーションがとれる時代です。したがって英語で考え、英語で迅速に発信していかなければ時代に対応できなくなっています。日本の高度成長期には、貿易にテレックスが使われていました。時差が時間をくれるので、英語を日本語に訳してやっていればよかったのですが、今は即答性を求められ英語で来たら英語で返さなければならない時代です。テンプル大学では終日英語で授業を行っていますので、学生は英語で考え英語でコミュニケーションしています。こうした体験を若い人に実際に経験してもらいたいと思い、高校生を対象とした英語コースを開催しているのです。

---高校生対象とは別の試みもあると伺っていますが、具体的にはどのようなものですか。
 「英語で考え英語で発信」を修得するには、欧米型の英語教育哲学を常に取り入れていく必要があると思いますが、日本の教育界は対応が遅いようです。そこで、高校の先生にもこういった体験をしてもらうため、同校では「インターンシップ」の形で大学院の英語教授法クラスや附属英語研修課程のクラスに参加し、英語教授法について1年間みっちり勉強するプログラムを提供しています。去年は埼玉県立の高校教員が参加し、今年は2人目の方が4月から来られています。研修制度の一環として校長先生から県教育委員会に申請しての参加です。テンプル大学で研修を受ければ、プラクティカルな英語や教授法が学べる上に、大学院の授業も受けられます。参加者は「すばらしい経験ができた」と感激されていました。米国の教育現場で実習と理論を学んだ先生が多くなり、その教育哲学がいい意味で広がれば、日本の英語教育が少しずつ変わっていくと思います。新任教員の場合はまだいいですが、5年、10年経つと教員自身が行き詰ってくるので再教育が必要になってきます。その場合ここで再教育を受けていただくと、非常に効果的です。

---プログラムに参加している高校生に求めているものはありますか。
 プログラムに参加している高校生高校生が参加することによって、英語に対する意識変革、脳の活性化をしてもらえればと考えています。いい意味で啓発を受けて、学校に戻ってから、英語だけでなく学問全般や自分の将来に対してモチベーションが高まれば大成功だと思います。実際2週間のプログラムで英語が流暢に話せるとか、2週間でテンプル大学に入学を決心することは期待していません。むしろ雰囲気を味わって米国の教育の感じを掴んでもらえればいいし、目に見えない大切なものを持って帰ってほしい。修学旅行で京都を体験するのと同じです。きっかけが大事で、そこから浸透していけばいいのです。同様に、異文化を体験できる海外でのホームステイ2週間もすばらしい。日本と違う「外国の学校」を体験して欲しいです。

---キャンパス、教室、ホワイトボード一つの感じにしても、まさに米国の大学ですね。日本にいながら米国大学のキャンパスを味わえる雰囲気は意識的にプロデュースされたのですか。
 英語の掲示物があること、日本人の帰国子女が多いこと、いろいろな国の学生がいることにも起因していますが、物理的なものより、そこの中で生活し勉強しインターアクションを行っている各々の学生や教授から醸し出される雰囲気が非常に米国的なのです。日本人の高校生20人がただいるだけでは何も変わりませんが、同校で色々な学生の中に入っていくことで、その雰囲気の中で自分も変えざるを得なくなる。変えないとカルチャーショックを受けて自分が潰れてしまいます。異文化に接し、その雰囲気に慣れ、気づいたら自分もその雰囲気を醸し出す人になる訳です。プロデュースというより自然にそうなりました。

---その雰囲気の鍵となっているものは例えばどのようなことでしょうか。
 日本では男女20人がクラスに入ると右左に分かれて座ることが多いですが、米国ではバラバラに座ります。これがテンプル大学ではまさに起こっていることですが、実はすごく大事です。米国の教育には、肌の色・身長・体の大きさ・男女の違いを超えて、「人間としてイコールである」という教育哲学があり、それがベースになっていると思います。本校ではこのような米国の哲学が根本にあり、人間教育にも結びつく土壌になっているのです。

---18歳という若い時にこのような環境に飛び込むと、それまで身についてきた国民性は変わりますか。
プログラムに参加している高校生長年の学生観察から、変われるかどうかは年齢ではなく、個々の人間の柔軟性に関わっていると感じます。例えば日本の超一流大学を不合格になりテンプル大学に入学した学生は、18歳であっても対応力がないように思えます。そんな学生は自分のことを「負け組」と決めつけている。せっかくここに来たのに、物事を受け入れるのが難しいように見えます。
反対に平均的な学生は、改善の余地があり、新しい環境で色々なものを吸収し自分を変革していくことができます。「語学の習得は歳をとってからでは難しい」と言われるのは、歳を取れば取るほど自分が今まで培ってきた価値観、人格が固まってしまうことが多く、異文化を受け入れることが困難になるからでしょう。個々の人間により異なりますが、一般的には若い方が固定観念が少ない分だけ異文化を受け入れやすいですね。

---テンプル大学という環境の中で、日本の大学とは授業の形態が全く異なる授業を受け、欧米型の文化を修得する一方、「大学から一歩外に出るとそこは日本」という状態がありますね。学生はどのようにバランスをとっていくのでしょうか。
 私自身バイカルチャーにすごく興味があって、ずっと観察してきました。バイリンガルは基本的に言語のことで、バイカルチャーは育った環境を文化として持っていることまで含まれる点が違います。今まで見た限り、学生は入学して数年で、大きく3つのグループに分けられるようです。第一グループは、純粋にアメリカナイズしてきて、テンプル大学から外へ出てもアメリカ的なファッションをする。ファッションという表面的なものがすごく強いです。第二は、中身が変わりバイカルチャーになる学生。服装は変わらないので一見普通の日本人と変わりありません。ただ話をすると考え方は、米国的です。英語に埋もれて一日8〜9時間も過ごし、数年通学することによって米国社会の膨大な情報を吸収し、心はアメリカナイズされますが、表面的には変わりません。そういう学生も2つの視点を持っている点で魅力的です。日本から見た米国に加え、米国から見た日本を持つことができます。第三グループは、第一と第二の中間的立場です。外見と中身が日本的なものもあればそうでもない。今日は日本的、次の日は米国的な服装をするような学生です。環境が違うため揺れ動いているのでしょう。個人と環境の関係はとても大切です。心もファッションもそうですが、周りの人間の存在が、お互いに影響しあう点で大変興味深いです。

--- ありがとうございました。


● テンプル大学ジャパンキャンパス
 「春の高校生英語コース」参加者インタビュー●

インタビューに参加してくださったKohさん、Ayumiさん、Yokoさん(左から)
インタビューに参加してくださったKohさん、Ayumiさん、Yokoさん(左から)

---さきほど授業を見学したのですが、皆さんの中の「英語を好き」という魂やパワーはすごいなと思います。英語や、ひとつの物事に対してすごく集中力のある学生を目の前にして、本当に圧倒されました。まず、「何のために英語をやるのか」、どうしてそこまで好きなパワーを出せるのか、「英語を学ぶ目的」について教えてください。
Yoko:外資系のホテルで働きたいという夢があります。ヒルトンとかシェラトンといったホテルで、フロント係やコンシェルジュのような仕事がしたいんです。外国人のお客さんに対して、英語でちゃんと対応できるようになりたいと思っています。
---夢にむかって頑張っていますね。勉強する大変さ、苦痛さは感じないですか。
Yoko:テストのランキングを目の当たりにすると、「あー、もうつまんない」ってなるけど、でも、英会話はすごく楽しい。言いたいことがペラペラと英語でしゃべれる時なんかは、「気持ちいい」と思います。

Ayumi:私の場合は、将来まだやりたいことがハッキリとはしていません。色々な可能性がある中で、分かっていることは、日本の中にとどまらず色々な人と接したいということです。去年一年間アメリカに留学しましたが、帰国して思ったことがあります。これから進路を決めるにあたり、日本の大学に行くとしたら、日本語で英語の勉強をして、卒業した時に自分の中に残るものが「英語」しかない。そうするとすごくもったいないから、英語を身につけて、英語で何かを学びたい。

---ただそれが何か、今はまだ分からないということですね。
Ayumi:そうです。日本の大学だと、入学時に既に専攻を決めておかなければならない。テンプル大学なら、最初語学の習得から始められます。急がずに、自分探しのために大学に行きたいと思っています。
---英語との出会いはいつですか。
Ayumi:小学校5年で初めて海外旅行に行きましたが、その時のガイドさんが英語ペラペラ。「かっこいい」と思って、その憧れが、英語を学ぶきっかけになりました。

Koh:僕は夢が「旅」なんです。いろんなところを旅したい。旅をするためには、英語が必要。英語を勉強しながら外国の色々な人の文化も見つけて、その人を理解してあげられるようになりたいです。今一番行きたいのはメキシコです。英語の後にはスペイン語や、ポルトガル語も勉強したいです。

---夢が広がっていて素敵ですね。次の質問ですが、皆さん、英語は「どのレベルまで」目指していますか。皆さんにとっての「英語ができる人」とはどういう人ですか。
Koh:僕は、国連で日本代表として堂々と話せるくらいになりたいです。
---夢は大きいほうがいいですよね。皆さんの考える「流暢さ」というのも、ネイティブのようにペラペラと話すというよりも違うところにあるのでしょうか。
Ayumi:ペラペラってしゃべるよりも、人とコミュニケーションをとれることが大事だと思います。

Yoko:ホテルでお客さんと接する時には、失礼のないように話し、もてなしてあげたいです。

---私たち日本人が目指す英語は、よりコミュニカティブで多くの人に理解されやすいことですが、大事なのは内容やメッセージをきちんと含んでいる英語ということですね。

---次の質問は英語の授業に関してです。今まで学校で受けてきた英語の授業と、こうしてテンプル大学で今受けている英語の授業とでは、どこがどのように違いますか。
Yoko:日本の学校の授業では、先生の話を聞いて黒板をノートに写したり受身的なもので、英単語を丸暗記したりしていました。でも、英単語を数多く丸暗記しても、実際ネイティブと会話するときにはその単語は必要ないんですよ。読むだけ、そして書くだけ。テンプル大学の授業は会話が中心で、実践的です。私はこちらのほうが好きです。

Ayumi:私もそう思います。日本の学校では「無理やりやらされている感」がありました。中には英語が好きじゃない人もいる。今のテンプルの授業は、同じ目的や目標を持った人たちが集まっているから、協力したり、同じように頑張れるんです。

Koh:僕の場合、まだ留学の経験がなく、初めてこのような授業を受けました。やはり学校とは違うなあと思います。ちょっとしたことを言いたいだけなのに、英語ではどもってしまう。そういうのが日本の学校では経験できなかったから、言いたいことを英語で言えるようになるのが、ここの学校の一番素晴らしいところだと思います。

---同じ意識のもとに集まった仲間と、自分の一番の興味を突き詰められるのはすごく充実感がありますよね。「こんな授業の形態があるのなら、どうして今まで高校でこういう風にしてくれなかったのだろう」と思いませんでしたか。
Ayumi:何度も思いました。私の学校はせっかく「オーラルコミュニケーション」の授業があるのに、高1の1年間だけです。高1だけ中途半端にやっても意味がないと思う。2、3年になると受験対策的になってしまい、読み書きが中心です。オーラルは無くなります。

Koh:僕は出身が盛岡で、この春から東京に来ました。今まで受けた高校の授業で思い出すのは、学校で教科書が読めたからって、英語の雑誌が読めるわけでもないし、会話だってできるわけでもないということです。これでいいのかなと思ってしまいます。

---高校の授業、もっとこうすればいいのにという点はありますか。
Ayumi:確かに今高校でやっている英語の授業、リーディングやライティングも大事だとは思う。ただリスニングがあまりないし喋る機会は全くない。バランスを考えて半々にすればいいのにと思います。

Koh:発音のわからないところをフォローしてもらえたらいいなと思います。クラスにたくさん生徒がいるから、分からなくてもなかなか聞けずにそのままになってしまう。

Ayumi:私、高校では自分が英語を好きだっていうことを見せないようにしていました。

Yoko:音読で、発音よく読んでしまうと皆に笑われてしまう。恥ずかしくて、わざと下手に読んだりしていました。高校では苦労しました。

---それを乗り越えて英語を頑張っているんですね。それでは最後の質問です。TOEFLテストを知っていますか。また、受けたことはありますか。
Yoko:ペーパー版を受験したことがあります。単語がすごくアカデミックだと思いました。リーディングもリスニングも時間が長いので集中力を保つのが大変でした。

Ayumi:私もペーパー版を受験しましたが、時間が全然足りませんでした。日常では使わないアカデミックな単語がたくさん出てくるので、どうやってボキャブラリーを増やせばいいのかと考えています。毎回トピックも違うし、その度に知らない単語がたくさん出てきて…。

---くじけそうになったりしませんか。
Yoko:でも挫折はしたくない。

Koh:僕はこれから受けることになっています。今は猛勉強中です。

---頑張ってくださいね。TOEFLテストはどういうイメージですか。
Yoko:やはり留学。アメリカに留学するのに必要な試験ですね。

Ayumi:実力試し。実際に英語を話せても、TOEFLテストのスコアを見たら、これじゃあ全然足りないなと思う。点数を見て落ち込んだりはするけれど、目標があるのでまたすぐに頑張ろうってなります。

---目標スコアはありますか。
Koh:公言できない(笑)。でも頑張って勉強しています。

Ayumi:最終的な目標として学部課程に行けるだけの点数が欲しいと思っていますが、徐々にやっていって、今のところの目標は470〜480点くらいです。

Yoko:私は前回のスコアを見て、それにプラス20点が毎回の目標です。

---どうやって勉強していますか。TOEFLテストの勉強と会話の勉強は違いますか。
Yoko:はい、違います。TOEFLテストに向けては、きちんと対策本を買って勉強しています。

Ayumi:話す方は、ネイティブスピーカーと積極的に話したり、あとはちょっと恥ずかしいんですけ
ど、一人でいるとき、例えばシャワーを浴びたりしながら一人で英語を喋ったりしています(笑)。発音が絶対上達するんです。

Koh:僕はまだ全然話せないので、まずはTOEFLテストのための勉強をしっかりしてから、それから会話の練習に進みたいです。

---でもその先に大きな夢があるから、絶対挫折しないですよね。皆さんはまだ若く、可能性があるから今後が楽しみです。一年後にまたインタビューしたいものです。今日はありがとうございました。

● インタビューを終えて ●

インタビューに協力してくださった三人はどの方も皆、将来に対する夢や希望にみなぎっており、力強さを感じさせてくれました。今後一層英語を身につけ、輝かしい日本人として国際舞台で活躍していってくれるでしょう。インタビュー終了後に「あの…英語の勉強はどうやってやれば効果的ですか」という素直な質問をしてきてくれ、その若さと純粋さに心打たれました。皆さんのこれからの活躍を期待し、成功を心からお祈りしています。

(インタビュー:2006年4月8日 TOEFL事業部 遠藤)
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