TOEFL Mail Magazine Vol.48
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言葉の玉手箱

英語に限らず外国語を学習していると、言葉の世界の奥深さに気付かされます。古来の日本人は言霊(ことだま)と評して、言葉には霊が宿り、見えざる力を働かすのだと考えました。使い慣れた短いフレーズの中にもコミュニケーションを左右するほどの力があるのです。
毎回ご好評をいただいているこのコーナーでは、テンプル大学ジャパンキャンパスの川手 ミヤジェイェフスカ 恩先生が、異文化間コミュニケーションにおける言葉の使い方の重要性に焦点をあて、興味深く解説してくださいます。言葉の世界の面白さをお楽しみください。


テンプル大学ジャパンキャンパスの川手 ミヤジェイェフスカ 恩先生


第21回:言葉に付随する意味(その4)〜 英語での依頼表現
     Can you…?, Could you …? それともI wonder if you could …

 今回は、英語での依頼表現に焦点を当てて考えてみよう。日本語と同様、英語にも様々な依頼表現があるが、それぞれの表現はどのような状況で使われるのだろう。また、実際に、日本人英語話者はどういう形を使う傾向にあり、どんな誤解を招いているのだろうか。
 まず、この依頼表現は、大学や高校で英語を教えている英語母語話者たちがよく話題にするトピックのひとつでもあるということを知ってほしい。そして、よく耳にするのが、日本人英語学習者である高校生や大学生が、教師になにかを依頼する時は、必ずといっていいほど"Can you …?""Please …"もしくは"I want you to …"と言う表現を使ってくるが、他の表現を知らないのだろうか、そして更に、それらの表現が、教師にものを頼むときには不適切であるということを知らないのだろうかという話である。英語母語話者によれば、かなり英語の堪能な日本人スタッフが英語で依頼をしてくる時も、"Can you …?"という表現は多いという。日本語で、日本人の教師に依頼をしている時には、敬語を使っているのになぜ、英語で彼らにものを頼む時には、"Can you …?"になってしまうのだろうと思うらしい。そして、人によっては、命令口調で "You fill out the XXX form and give it to me, OK?"などいうような表現をつかうスタッフもいるようだ。どうやら、この日本人英語話者による、"Can you …?"という依頼表現は、英語のレベルに関係なく初級者から上級者にまで幅広く使われるようだ。
そういえば、先日お会いした日本語の堪能なスミス博士によれば、最近、博士よりずっと若い日本人スタッフから"Can you …?"という形での依頼をメールでうけ、ずいぶん失礼なもののいいようだなあと思ったと言う。博士は更に、ところが、その日本人スタッフに会ってみたらとても感じがよく、日本語を話しているそのスタッフからは、英語でなぜあのような失礼なものの言い方をしてきたのかが、さっぱりわからないとも。このようなケースは多々あるようだが、日本語母語話者が外国語である英語の持つ表現のニュアンスがつかめていないために不適切なものの言い方をしてしまったケースであると考えられる。もちろん、英語での発話に感情の移入ができてないことからこのようなケースが生じるにちがいないのであろうが。ちなみに、博士によれば、同じ要件でやはりメールで連絡をしてきた英語母語話者がいたのだが、そのスタッフは、博士より年配にもかかわらず"Could you possibly…?"という表現を使っていたという。
 そこで、英語母語話者はどのような表現で依頼をしているのかを考えてみる。まず、大学院に通う英語母語話者はどうかというと、社会にでている学生が多いということもあってか、教師に依頼をする時は、必ずといってもいいほど "I wonder if you could …"とか"I was wondering if …"というように"wonder"という表現を使っているようだ。また、友人や同僚とのやり取りでも、"Can you …?"という形で依頼をすることは殆どないようである。学部の学生たちはどうかといえば、様々な表現を使っているようだが、彼らにしても教師との会話では、"Can you …?"という表現は使ってないようだ。ちなみに学部の学生たちは"Please …"から"I would appreciate it if you could …"に至るまで様々な表現を使っている。
 最後に、この"Please …"であるが、誰にでも理解できる簡単な表現であるということから、一見、失礼に値するかのようなこの表現を可もなし不可もなしという中立的な表現と考え、標準的なポライト表現として位置づけようとする動向があるようだ。
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