TOEFL Mail Magazine Vol.48
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SELHi校の試行錯誤

それぞれのSELHi指定校は特色のある研究課題を設定しています。目標とする生徒の英語力は「読む・聞く・話す・書く」という4技能を駆使して自分の考えを発信できる力です。これはまさに北米大学が留学生の入学要件として期待している力であり、次世代TOEFLテスト(TOEFL iBT)はこの要望に応えるために開発されました。そのため、日本の英語教育とTOEFLテストの方向性は同じであると考えます。
本シリーズでは、指定を終了した学校にその学校ならではの成果に焦点を絞りそのエッセンスを報告していただくことを予定しています。高等学校のみならず、中学校・大学、更には小学校の教員の皆様にとっても有益な情報源となるものと期待します。同僚の先生方とも情報を共有し、皆様の授業改革の一助となれば幸いです。

今回は、学校独自のシステム開発に成功した北海道函館中部高等学校で教鞭をとられている今井 康人(いまい・やすひと)先生にご寄稿いただきました。


北海道函館中部高等学校のSELHiの紹介
北海道函館中部高等学校 SELHi主任 今井康人 
今井 康人先生(45) プロフィール

北海道函館中部高等学校 SELHi主任 今井康人氏札幌大学外国語学部英語学科卒業。23年間、北海道で教鞭をとり、現在、北海道函館中部高校に勤務。SELHi研究主任。1992年夏に、ニュージーランド・オタゴ・ポリテクニク大学で日本語教員の経験あり。深く感銘を受けたのは、以前、あまりまじめでなかった学生が別れ際、涙を流して別れを惜しんだこと。この経験が、教員が生徒に与える影響力の大きさとその重要性を理解するにいたる。アメリカ、カナダにも渡航経験があり、特に米国単独一周旅行で感銘を受ける。1995年には高校生とイギリスのデボン州を訪問。趣味は読書、写真(北海道教職員美術展審査員)で、全日本スキー連盟準指導員、全日本バスケットボール公認コーチでもある。2005年6月、英語教材「Hokkaido - A wonderful world」(文英堂)を出版。2006年6月東日本地区ALT約1000人にプレゼンテーションを実施し、好評を得る。英語授業研究学会会員。


北海道函館中部高等学校の歴史
皆さん、こんにちは。今回は北海道函館からお送りします。この特集の一番最初に登場した山岡憲史先生とは、一昨年以来のお付き合いをさせて頂いています。英語教育を改善・改革したいという気持ちで日本中に熱い先生方がいることに心を強くしています。心熱い先生方が、たくさん登場しているこのコーナーで函館中部高校SELHiをご紹介できて光栄です。
最初に本校の歴史をご紹介致します。

函館中部高校は
・1895(明治28)年、本校は函館尋常小学校として函館に開校しました。
・1901(明治34)年には北海道庁立函館中学校と改称し、戦後の新学制実施に伴い、
・1950(昭和25)年に現在の北海道函館中部高等学校として再発足しました。
・2005(平成17)年に創立110周年を迎えました。
・北海道公立高校普通科としては最古の歴史を誇り、各界に有為な人材を輩出しています。
・日本将棋連盟元会長二上達也さん、亀井勝一郎さんなど。
・卒業生数 約26,300名(平成18年3月現在)。
・現在、全日制課程18学級、定時制課程8学級を有しています。英語教育に関する歴史も古く、明治の開校当時には英語の授業が週6〜7時間実施されており、2年生になると明治30年代には週に9〜10時間になりました。日本語を使わない外国人教師による英会話の授業があり、英語教育に関しては恵まれた状況が昭和初期まで続きました。

平成15年4月にスーパー・イングリッシュ・ランゲージ・ハイスクールに指定されました。私たちはこれを第1次SELHiと名付けています。昨年が最終年度となり、集大成の年は終わりました。しかし、私たちの英語教育改革の1段階が終了したに過ぎませんでした。
今年度、新たに申請し、私たちにとっての第2次SELHiがスタートしたのです。

函館中部高校のSELHiでは、「生徒が元気になり、語学としての英語の授業」を実践することが、基本です。「語学はやればやるだけ出来るようになるもの。伸びる自分を感じていくうちに語学がおもしろくなっていく。」という好循環を生み出していきたいと考えています。
私が札幌から転勤してきた11年前、いわゆる受験のための英語学習が学校を支配していました。文法語法と英文和訳にそのほとんどの時間が費やされていました。生徒にとっては刺激のない授業の連続だったようです。生徒の中には失望感を抱いている者さえいました。
 これは、当然のことです。皆さんもご存じのように読み・書くことだけが英語学習ではありません。聞く・話すことを含めた4技能がバランスよくトレーニングされて初めて、総合的な語学力が定着します。
 全国のSELHi校が軒並み、好結果を出しているのは偶然ではありません。聞く・話す・読み・書く活動を通して、生徒は理想的な語学学習を実施しているからです。
つまり、語学学習の基本であるInput→Intake→Outputの流れを実践しているので必然的に効果がでているのです。SELHiは今まで、英語コースや英語科でモデル的に研究実践されていることが多かったと言えます。しかし、その実践内容には普通科でも実践できるものが多く含まれています。
函館中部高校は全日制普通科で、研究対象も1クラスではなく、全学年にその効果がでるように教育実践しています。その点において、SELHi全体では特異なケースでもあります。しかし、お金もかけず、工夫することで効果的な授業ができれば、日本国中どこでもできる理想的なケースが生まれるのです。
私たちが目指しているのは、本校の生徒の英語力を伸ばすことはもとより、日本の英語教育を変えることなのです。

SELHi函館中部が目指してきたことを実践項目毎に、ご紹介したいと思います。

1. 授業におけるゼミナール活動方法の導入

---少人数クラス編成(1クラス2ないし3グループ展開)のシステムを研究開発しています。OC(Oral Communication)Tの授業で実施しています。授業時間数が少ない公立高校での1時間の授業密度を高め、生徒の心に響く授業を展開することを目指しています。少人数クラスのために、教員スタッフを多く採用することは簡単ではないでしょう。しかし、長年のこの取り組みが様々な効用を生み出し、その確保に成功しています。少人数クラスを編成するのは実はそれほど大変ではないのです。クラスはどの学校でも40人程度です。JTE(Japanese Teacher of English)とALT(Associate Language Teacher)の二人がいれば20人クラスはすぐにできます。これを25分で授業の途中で入れ替えます。教室が近くにもう一つあれば移動しても構いません。教室が一つであれば、前後に分かれましょう。内容はそれぞれの先生の特性を生かせることができればいいでしょう。Input、Output、Communicationなどそれぞれのステーションに特色を持たせるとグループ毎の内容がより明確になります。
---本校では少人数クラス編成における三つのシステム開発に成功しました。
@ 3-Station System

   3-Station System

3-Station Systemの考え方

学習する表現や語彙が話されたり、実際に自分が使ったりする場面を設定することで、学習につながりを生み出します。
場所、クラス編成、活動内容を固定化せず、変化をもたせることで、生徒の英語学習に対する興味を引き出します。
スタッフ個々の持ち味を活かします。

留意点

諸連絡、新言語材料の提示は一斉授業形態で行います。
各stationのrotationの順番に配慮する必要があります。
インタビューテスト(評価方法の一部)。
タイマーを利用します。
周到な準備と想像力が必要です。
計画と進捗の管理が必要です。
年間の計画を一回一回の授業にブレイクダウンしたものを共有します。
進行状況に応じて絶えずアップデイトします。
実施した活動の記録−情意面での評価をします。

3-Station Systemの効果

多様化する生徒の個性や能力に、指導者の個性を活かした得意分野でアプローチできます。
そのことが生徒個々の多様な要求を満足させます。
英語が楽しいと思えるようになり、英語そのものに興味を持ち始める生徒が増えてきました。
ローテーションすることだけでなく、教室に仕掛けをして生徒を待つことの効果も大きいのです。

解決すべき課題

各Stationの時間の絶対的不足
生徒の多様な興味・関心、能力差への対応をどうするか

A Division System

Division System

Division Systemを導入し再びローテーションを授業に取り入れた。
40名のクラスを二つのディヴィジョンに、それぞれのディヴィジョンを二つのグループに分割し、教科書中心のインプットステーションとスピーキングステーションをローテーションで回る方式。
Input Stationでは教科書を中心に言語材料のインプットとリスニングを実施します。
ALTによる二つのSpeaking Stationでは、3rd quarterで意見の主張と討論の方法に、4th quarterでは英語による説得に焦点を合わせてジョブインタビューなどのロールプレイを行っています。

Division Systemによる改善点

3-stationと比べて時間的なゆとりがあるのでより時間のかかる内容を扱うことができます。
二人のALTが授業内容を共有することでアクティヴィティの内容が深化しました。
生徒たちの授業への取り組みには以前よりもさらに積極性が感じられました。

検討課題

グルーピングにおける生徒の能力、興味・関心などのプロフィールやソシオメトリーの扱い。
習熟度別授業の実施は効果的でしょう。

B X-system

   X-system

Rotation System のメリット

小グループに分割したクラスを、複数の指導者がローテーションを取り入れて指導する本校のRotation Systemは、今日の教育現場のあらゆる局面に応用可能な有効性を秘めています。
生徒のやる気が高まる。クラスサイズの最適化は英語学習への動機を高める。Timed Activityにより飽きずに集中力を高められる学習につながりが生まれ「気づき」ながら習熟します。
フィージビリティーも高い。
Station/Division System は既存のシステムを大きく変えずに効果の上がる現実的な方策。
SELHi以外でも、地域の在留外国人やJTEのみでも実施できます。
教科・科目を問わず応用可能指導者にもメリット。
指導者のスキルアップにつながります。
指導者一人あたりの負担は高くないのです。
組織改革につながります。
柔軟で応用範囲が広いシステム−幼稚園や小学校での英語教育、指導に困難がある学習集団。

以上のようなシステムを構築してからの生徒のリスニング力の動向はここ2年間で向上し、安定しています。

本校ではグループの共同作業による学習・AETや大学院生とのTTも行っています。近隣の北海道教育大学函館校、函館大学とも連携を取り合っています。大学の教授・助教授の先生方に実際に授業をおこなってもらっています。

---Speaking能力の評価研究

Speaking能力の評価方法は現在、色々な研究者・英語教育者が取り組んでいる項目でありながら、学校現場で有効に利用されている方法はいまだ、研究開発されていません。いくつかのSELHi校で実践されているSpeaking Testに実用可能なものも見られるが、やはり広く普及されるにいたっていないのです。

 本校では、1年に4回Interview Test を実施しています。方法は、函館地区の教育局にお願いして、年4回だけ、ALTを増員派遣して頂いています。その結果、4人の外国人講師をそろえることができます。内訳はベースのALT、セミレギュラー(週2回)のALT、学校の時間講師枠で雇っているALT、そして増員されたALTの4名です。何らかの都合で、ALTがこのように集まらない場合は、日本人スタッフが実施します。特別な雰囲気を作り出すために、英語の教頭、校長先生にお願いすることもあります。
 4人いますので、1クラス40人を4人で分けます。一人10人の計算で、4分間実施します。イメージとしては英語検定の2次試験の感覚です。フリートーキング、ショートスピーチ、ピクチャーディスクリプション、Show & Tell 等を行います。
 この年4回のInterview Testに向けて生徒たちは準備します。そのことが大きく英語力向上に影響します。もちろん、Outputの練習を十分に積む絶好の機会となります。本校独自のEvaluation Sheetも作成しています。この活動は1年生のOC(Oral Communication)Tのクラスで実施されています。今年度は英語Tの授業との連携に焦点を当てています。

2. Writing活動の充実

---自由英作文のALT等による添削指導

7年前から取り組んできました。当時、ALTを自由英作文添削に従事させることはほとんどありませんでした。新しい試みでしたが、試行錯誤の連続でした。日常的に忙しすぎるJTE、添削スピードが飛躍的に速いのがALTでした。様々な条件に合っていたのがこの実践だったのです。当初はあまりの添削ペーパーの多さに逃げ出したALTもいました。そこで、複数のALTを従事させたり、日本人も取り組んだりと工夫しました。現在では、1クラスを2展開にし、JTEとALTで20人ずつ受け持っています。そして、1週間毎に入れ替えます。ALTのブースでは自由英作文を作成します。JTEのブースでは詳しい書き方を教授します。そこでは日本人だからこそ理解できる微妙なニュアンスも教えていきます。
 特に、パラグラフ・ライティングの書き方は詳しく、ゆっくり、確実に時間をかけて、教えていきます。その結果、外部資格試験でも目を見張る結果が見られました。
 さらに、e-learningにおけるJTEのTT(Team Teaching)も実現させました。ここでは、CriterionSMを使用しました。これは自由英作文の自動添削システムで、インターネットを使います。米国まで瞬時に送信され、約30秒後に採点・チェックがなされ、返却されます。素晴らしいシステムで生徒は楽しみながらどんどん英文を作成し、取り組んでいます。
ALTは共通する誤答の分析を行いその体系化を進めています。実は自由英作文に取り組むことによってSpeaking、Presentation 活動が活発になってきました。

---Presentation活動を2年生文系クラス(3クラス)で実施しています。その中で、Power Pointの1枚のプレートが一つの paragraph になっているということを発見しました。そこで、1プレートの作成をしっかり行うことで、複数のパラグラフを構築することが可能になってきたのです。
さらに、英国高校生とe-mail交換を実施しています。British Councilと連携することで、紹介して頂きました。実際に英文を作成し、それを外国の友人が読むということはまさに生徒の書くことへの動機付けになっています。

国際社会で活躍できる人材育成のための指導の一環として、ライティング活動を通して実践的コミュニケーション能力を養うことを目指しています。

3年間の指定期間中に目指すこととしてWriting能力向上の他に次を目標に掲げました:

自分で書いたものをもとに簡単なプレゼンテーションができ、質問に受け答えができます。
自分で決めたテーマを研究し、資料などを使ってプレゼンテーションができ、又ホームページなどで公開します。

---一つのパラグラフにおける論理構成の理解と定着が平成17年度の最重点指導事項でしたが、時間をかけじっくり指導した結果、7月ころから生徒に変化が見られました。そのことが意識調査にも表れていると言えます。自由記述の中に、「文章の構成の仕方等パラグラフの書き方がわかったような気がします。そのためテストでもあわてなくてすむようになった。」と回答した生徒が60名、「文章の構成パターンが分かってきたので前より速く書けるようになった。」が14名、「なんとなくトピックセンテンスを意識できるようになった。」と書いた者が8名いました。

---読み手を意識した指導とテーマの工夫に関しては、JTE主導で作文のトピックを精選し、E-mail Exchangeを導入することで生徒は相手に伝わるように意識しながら書く傾向が強くなり、授業中の質問回数が増えました。下位群の生徒への細かいケアや複雑さ・正確さを更に伸ばすための工夫は充分ではなく、来年度への課題として残りました。萬谷先生グループの大学院生による論理構成分析による指摘は非常に参考になり、限られた時間の中で課題指示に即して論理的に書く指導を見直す必要性を感じました。

---コンピュータを使った授業(JTE2名のTeam Teaching)は全て午後に行われたが、生徒の授業に対する積極性はかなり高かったものと言え、移動教室ながら遅れてくる生徒は少なく、授業中の集中度も高かったのです。E-learning、Word、Power Point、E-mail Exchangeなどコンピュータを使ったライティング授業の可能性は今後ますます期待できるものと考えられます。特に、Criterionの導入は、自由英作文の最大の課題とされる評価の面で、かなりの効果が見られました。CriterionはTOEFL、GMAT、論文執筆などで必要なアカデミックライティング能力を育成する学習プログラム。教師と学習者はインターネットで繋がり、課題の割り当て、提出、教師によるアドバイス、クラスの管理などをすべてオンラインで行えます。E-raterによりエッセイの自動採点ができ、学習者はエッセイをタイプし提出すると、スコアと詳細なフィードバックが30秒程で戻ってきます。

---Criterionは30秒で評価が返ってくるため、生徒に「上手に書こうとする動機付け」を与え、いい評価をとろうと意欲的になった生徒が出てきました。又、E-mail Exchangeも「書く動機付け」としてかなりの効果が期待できました。自主的に5度のやりとりを行った生徒がいました。Power Pointはパラグラフを意識させるのに効果があり、生徒にPresentationをやらせることで楽しみを感じた生徒も少なからずいました。

---生徒がどのレベルにまで到達することが必要かのガイドラインをTOEFLのTWEを参考にしました。

技能別スコアと習熟度ガイドライン

Essay Ratings / Explanations of Scores
 Level 3: An essay at this level may reveal one or more of the following weaknesses:
- inadequate organization or development
- inappropriate or insufficient details to support or illustrate generalizations
- a noticeably inappropriate choice of words or word forms
- an accumulation of errors in sentence structure and / or usage

Criterionを導入しTWEの予想スコアを判定します。
ここ4年間の生徒の学習成果をグラフにしました。昨年、大きく伸長したのは、テスト実施時期がこちらの指導が行き渡った直後にテストを実施したためです。
他の年は少し早く実施しました。これにより、私たちの指導の成果が大きく影響することが分かりました。

3. 英語を使う活動の実施

---Speech Contest(1年生対象)、Skit Contest(2年生対象)が各学年の行事として定着して
います。今年度から1学年でプレゼンテーションコンテストが実施されます。
---より効果的な英語を使う活動の実施方法の研究開発はかなりの分野で進んでいます。これはこれまで各SELHiで行われた研究開発の成果です。しかし、普通科の全クラスで実施されうる実践方法の研究開発が遅れています。英語科や英語コースでの実施方法はほぼ完成の域に達していると思われます。
---実践した後の成果を測定する方法つまり、どのようなテストが妥当であるのか、4技能のバランスのとれた英語能力の測定方法の研究が必要になっています。多くの外部テストの評価を適切に実施し、生徒のどの英語力を測定したいのか、そしてどのテストが必要であるのかを見極める必要があるのです。


4. 地域の教育機関との連携

---ESSを中心に3ヶ月に一度、絵本の翻訳と読み聞かせのボランティアを初等教育機関で実施しています。その中でも3-Station Systemを利用しています。1クラスを三つのグループに分けて10分でローテーションしていきます。各ステーションでは異なる絵本が待っています。子供たちは飽きることなく時間を過ごします。日本語と英語で音読していきます。幼稚園児はもとより、教えている高校生が一番の感動を受けます。教えることは自分に一番有効であるのです。


5. 海外の教育機関との連携
---海外語学学校と連携することで、高校現場だけでは見ることができなかった視点から改革を始めることができました。ELS札幌校のAcademic Directorを招聘することによって、様々なアドバイスを得ることができるようになりました。海外で発行された Course Book の採用を推薦してもらい、副教材作成の一助となりました。特にReady to Write (Longman)は自由英作文作成には適切な副教材となりました。
---韓国のサンダン高校との交流に成功しました。韓国の現職教師が北海道教育大学函館校の大学院で学んでいました。日本と韓国の高校生が同じリスニングテストを受けました。そのデータを分析しました。韓国の高校生のリスニング力は卓越しています。やはり、幼少からの取り組みが成功しているようです。

6. オーラル・コミュニケーションI(OCI)における新しいシステムの構築
---1学年 全クラスで実施し、1クラス3ないし4展開で実施します。
---それぞれに外国人教員を配置し、英語IとOCIをリンクします。
---基盤となる流れは(Input + Intake)→Outputを意識します。
---生徒が積極的に英語を使っていく姿勢、技能を高める授業方策の研究を実施します。
---高いレベルでの英語運用能力のトレーニングの場にしていくことが重要です。

成功の鍵は?

外国人教員の適性を見抜き、責任ある役割を与えること。
日本人教員が常にcoordinatorであり、常にleadershipとfriendshipを持つこと。
発案→計画→実行→分析→改良→実行のサイクルで発展すること。
brainstorming→plan→do→seeのサイクルを大切にすること。
発想を豊かにし、授業方法を大胆に改良していく。
生徒の反応を的確に把握しながら、時に厳しさも求めていくことで、生徒に達成感を与えていく。
特に、強調しているのは音読、暗唱、暗写、多読です。(Input、Intakeの強化)
現在、函館中部高校ではInput、Intakeを充実させ、効果的なOutput活動へのつながりを構築する指導方法を研究開発しています。Eye Shadowing を30回、音読を30回、音読筆写をしてから、最終的に暗写テストを実施します。暗写ができればほぼ、Intakeは終了と考えていいでしょう。この指導を始めてからReading力が大きく伸びました。


---次に、Outputです。1年生ではInterview Testは年4回実施しています。また、スピーチコンテストも実施しています。2年生では、スキットコンテストを実施しています。しかし、日常の授業の中での効果的なOutput活動が必要です。プレゼンテーション、ディスカッション活動にどれだけ結びつけることができるかがポイントです。
 生徒は恥ずかしい気持ちを持ちながら、発話をしない場面が多くあります。日本文化の奥ゆかしさを隠れ蓑にして英語学習に支障をきたしています。厳しくその点を改善しなければ大きく英語力を上げることはできないでしょう。音読するたびに感動する優れた教材が多く世に出ています。その中心は高等学校の教科書です。優れた英文を見いだすことは難しくありません。それらを如何に生徒にInputさせ、Intakeしてもらい、Outputにつなげていくか、ここに日本の英語教育を改革する原点があると思います。


最後に

最後に函館中部第2次SELHiが目指す、新しい取り組みを紹介して終わりにします。

研究課題はデジタルアーカイブをウェブ上に乗せ、いつでも生徒がアクセスし、学ぶことができるユビキタスラーニングを目指します。また、英語教育実践成功事例のポータルサイトを構築し、日本全体に発信することを目指しています。さらに、メインの課題が、英語T、Uの授業で生徒の英語力を向上させるための授業方法の確立と効果的なテストの作成、コール教室の効果的な使用方法の研究です。

ご期待下さい。また、どこかでお会いしましょう。


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