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【大阪大学 森 祐司 先生】

 このコーナーでは、TOEFLテストの実施・運営団体であるETSのプロダクツをご利用いただいている高等学校・大学での導入事例を、現場の教室からお伝えします。
 ETSプロダクツとは、ペーパー版TOEFLテスト(TOEFL-PBT)の過去問題を使った「団体向けTOEFLテストプログラム:TOEFLテストITP」や、インターネットに接続できる環境があればどこからでもアクセスができ、短時間で採点とフィードバックを自動で行う、ライティングの授業には欠かせない「オンライン・ライティング自動評価ツール:Criterion」など、現在日本国内のみならず世界の教育現場の皆様に多くご利用・ご活用いただいているETS開発のテスト・教材です。
 今回はTOEFL-ITPを導入されている大阪大学森祐司先生からのレポートです。

 
 森 祐司 先生 プロフィール-------------
大阪大学大学院言語文化研究科助教授
専門:言語文化研究、社会学
アウトドアの現場でのコミュニケーションのあり方を研究している。

 大阪大学-------------
自由な学風と進取の精神が伝統である同大学は、学術研究でも生命科学をはじめ各分野で多くの研究者が世界を舞台に活躍している。また、モットーである「地域に生き世界に伸びる」を忠実に実践すべく、地域や産業界との交流・提携や、学術および学生の国際交流に早くから積極的に取り組んでいる。
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 1. 大阪大学の英語教育の概要

 大阪大学では、1.大学生としてふさわしい英語運用能力を身につける 2.国際的に活躍する人材育成のため、特に英語圏への留学に必要な英語運用能力を身につける、という2つの柱をもとに、カリキュラムの改革を重ねながら、よりよい英語教育を実現する努力を続けています。具体的には、1、2年次において、「読む」「書く」「聞く」「話す」の4つの技能のそれぞれに重点をおいた技能別の英語授業を開講し、学生は自分の必要に応じてそれぞれの授業を選択できるようになっています。Readingの授業では、人文・社会・自然科学の諸分野にかかわる高度な内容の英文を読破できる英語読解力を養成すること、Writingの授業では、レポート・論文等論理的な英文を書く能力を養成すること、Listeningの授業では、ニュース・講演・対談等知的な内容の英語が理解できるリスニング力を養成すること、Speakingの授業では、英語を用いての論理的で批判的なプレゼンテーション能力を養成することを目標に掲げています。
 また数年前より、学生の海外への留学を促進することが大阪大学の国際化の目標の重点課題とされたことを受け、英語教育においても総合的で実践的な英語運用能力を養うための授業を1年次においてすべての学生が受講できるようになっています。高校における英語教育の現状を考慮して、特にListening能力の育成に重点を置きながら、TOEFLテスト等の英語検定対策を視野に入れて、英語圏への留学に必要な総合的・実践的英語運用能力を養成することを目指しています。
 2. TOEFL-ITP導入経緯
 大阪大学でTOEFL-ITPを導入したきっかけは、前項で述べたとおり、大学全体の国際化に向けての基本方針が大きな要因となっています。大学の予算の中から全受験生への経費の支出が充てられています。さらに、TOEFLテストの目標とする、いわゆる「アカデミック・イングリッシュ」が、本学の目指す「大学生としてふさわしい」英語運用能力の目的に合致していることが重要な点です。TOEFL-ITPを導入することで「単なる」実際的英語力ではない深い運用能力へとつなげていく動機付けを行うことが最大の目的だといえます。
 大阪大学では、平成15年度の歯学部・薬学部・理学部・基礎工学部・工学部の5学部の1年生を対象とした実施を皮切りに、平成16年度は人間科学部・文学部・医学部・歯学部・薬学部・理学部・基礎工学部・工学部の8学部の1年生、および理学部・基礎工学部・工学部の3学部の2年生に対してTOEFL-ITPを実施してきました。そして、平成17年度は7月に、10学部すべての1年次生に対して実施され、11月には理科系の学部全体に対する実施を予定しています。受験率は全学生の95%以上となっています。
 3. TOEFL-ITPの利用状況
 大阪大学では、TOEFL-ITPを2つの目的で利用しています。ひとつは、1年前期終了時点(7月)で行うことにより、前期の英語授業の授業成績の30%分にTOEFL-ITPのスコアを組み込んでいます。これは、いわゆる「成績の平準化」を目的とするものです。次に、1年次後期(学部によっては2年次)の英語授業のクラスをTOEFL-ITPのスコアをもとに習熟度別に編成しています。これにより、学生は自分と同じぐらいの習熟度の仲間と英語授業を受けられるようになり、より効果的な学習が可能になりました。
 国際標準のテストとして位置づけられているTOEFLテストの成績の、学部生レベルでのとりあえずの目安は500点〜550点ぐらいでしょうか。残念ながら、阪大生の平均は474.3点(本年度7月1年生全員対象実施分)でした。この成績では、世界各地でアメリカ留学をめざす非常に意欲ある学生たちの基準点にはまだまだ及ばないですが、今後の努力しだいといったところでしょうか。
 TOEFL-ITPにもとづく習熟度別クラス編成の効果として、学生全体の英語力の向上と、成績のあまりよくない学生の英語力の底上げが達成されるということに触れておきます。TOEFL-ITP導入3年目であり、習熟度別クラス編成も途中から順次学部ごとに導入してきており、いまだ確定的なことはいえませんが、初年度から習熟度別クラス編成を導入したある学部では、1年次春と2年次秋で実施されたTOEFL-ITPのスコアの平均点が、11点ほど上がりました。さらに、平均点あたりのクラス(460点前後)のほとんどの学生が成績を上げており、3割近くの学生(40人中11人)が500点以上にスコアをあげています。また、1年次のテストで平均点が388.1点だったクラスは、2年次で444.5点まで平均点を上げており、その中の3割強の学生(42人中14人)が480点以上のスコアを取りました。
 これまでの統計によりますと、大阪大学の英語教育では、残念ながら500点を超えるような学生たちの成績をさらに引き伸ばすことはできていません。このレベルになると実力向上が難しくなるということもあるかもしれませんが、今後のカリキュラム改革の課題のひとつとして、このような学生の英語力をどのように引き伸ばしていくかということがあげられると思います。
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