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達セミに学ぶ 英語学習のヒント

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英語教師による英語教師のための情報シェアの場「達人セミナー」通称「達セミ」をご存知ですか。毎週のように自発的かつボランティアで全国各地にて開催され、それぞれの授業方法を公開しシェアしています。基本的には中学・高校の教師の方々が中心ですが、その授業には英語を楽しく学ぶヒントがたくさん隠されています。その中から毎号1名の先生にレポートしていただきます。

今回のヒントはこれ:

  • Photo News の書き取りと音読で、時事英語をBrush Up

唐澤 博先生

浦和実業学園高等学校
唐澤 博先生

世界に目を向かせる英語教材作成の工夫

留学生徒の減少、内に籠る日本の高校生の実態がよく報道されます。本校では、高校2年生全員にハワイ短期留学をさせていますが、感化されて留学する生徒はやはり激減しています。インターネットの普及で、例えば、アフリカの飢餓、紛争、ユーロ危機、大統領選挙、、、世界での出来事がリアルタイムで共有できるのに、無関心な生徒が増えてきました。ところが、a terrible famine in Africa (システム英単語駿台文庫166p)は、ちゃんと覚えるのです。入試問題に取り上げられているから、それを覚えればいいと、、、こういう、受験一辺倒になってしまいがちな高校生の英語学習に危機感を覚え、ここ数年「時事英語を高校生に」を目標に、世界に目を向かせる教材作り・提供を心掛けています。授業でも取り上げますが、シラバスの決まっている日々の授業での取り扱いは難しいので、毎朝の朝礼時に、Photo News を提供し、その英文記事を読ませています。昨年は200回を達成。今年は、音読、書き取りを含めた20分の早朝学習を実施しています。内容はYAHOO ! NEWS Photos ( news.yahoo.com/photos ) などをベースに、表面に写真、裏面にその記事を印刷して渡しています。学習の手順は以下の通りです。

学習の手順
(1)表面の写真をまず見て1分は考えさせます。何の写真か?描写するとしたらどんな単語や表現が必要か?箇条書き、単語のみ、日本語、なんでもいいから書かせます。
(2)次に、裏面に印刷されているその写真に対する英語記事を、表面写真の下のマージンに写し書きさせます。裏表の印刷は逆さまにしておきます。表面をそのままに、下から裏をめくりながら書きます。今、人気のiPadアプリ ‘Evernote Peek’ と似ています。これは、達人セミナー、谷口幸夫先生のいう ‘Self –Dictation’です。

(3)チャンクで記憶させ、書き写すことが肝要です。すぐ目に入る英文や、単語をすぐその下に書いても時間の無駄です。「目を切る(離す)」ことが記憶させる訓練なのです。
(4)ニュース記事の関連情報を提供することも大事です。背景知識が必要なこともあるし、私個人の意見も敢えて入れることもあります。こういうレッスンもコミュニケーションだと思っているからです。
(5)Photo News の良さは、多くても、30~40words程度の短い文であることです。限られた量で、無駄な修飾語句は少なく、分詞などが効率的に使われ、まさに端的でわかりやすいのです。また、写真を見て考えることは、インターネット時代に要求されるphoto literacyの強化にもなるし、考えたことが英文と一致した場合は、和英辞典を引くより記憶に残ります。
 最近は、提供する話題を見て、「(この話題が)くると思ったよ。」との感想が生徒から出ます。しめしめです。(ニュース見るようになったな。いいぞ。)
 慶応大学田中茂範先生は、教材作りのポイントは次の3つだとおっしゃいます。[1] authentic (本物でしらけない)[2] meaningful (有意味で、理解でき、おもしろいもの)[3] personal (自分のこととして受け入れられる)

時事英語はまさに、格好の教材ではありませんか。

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