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CIEE JAPAN 50周年記念スカラーシップ

受賞者報告書

 

私はCIEE JAPAN 50周年記念スカラーシップを通じて、フランスのパリに4週間留学してきました。第二外国語を習いたかったのと、言語教育専攻としてヨーロッパの英語教育に興味があった私は、パリで行なわれるParis, Language & Culture, Summer Session 3 に参加することにしました。

1.フランス文学に挑戦

授業は基本的に、現地のCIEEセンターで行なわれました。私はホームステイでパリの中心部に滞在していたのですが、そこから徒歩15分くらいのところにCIEE Paris Center がありました。交通アクセスが良く、ショッピングもできて良い所でした。


授業はFrench Literatureをとりました。先生はアイルランド出身の方で、授業は英語で行なわれました。この授業では主に、パリを題材にしたフランス文学(小説)を読み、パリがその文学の中でどのような役割をしているかを議論しました。予習として300ページくらいの課題図書(フランス文学の英訳版)を3冊と、関連論文8本程度を読まなければならず、普段はリーディングが苦ではなかった私も大変でした。読むのが大変というより、観光の合間に読む時間を作るのに苦労しました。レポート課題としては、課題図書のうち1つを選んで、テーマに沿って論じるレポートが課されました。ダブルスペースで4~6枚(1100~1600 words程度)で、期限が5日間くらいと短かったので、これにもやや苦労しました。期末試験は2時間半の記述でした。授業の難易度・課題量からして「遊学」は期待できませんが(笑)、授業中にもエクスカーションが含まれていますし、授業は午前中が中心なので、自由時間はそれなりにあります。

2. 多様な視点を交えた異文化理解

課外活動としては、週1~2回程度、放課後にインターン生(フランスの大学生2名)やスタッフさんが、近場の観光(城跡や美術館など)に連れて行ってくれたり、ピクニックをしたり、クレープ教室をやってくれたりしました。そして、CIEEサマーセッションの特色とも言える課外活動が Intercultural Experience Weekend (ICE Weekend)です。ICE Weekendでは、隣国(または離れた国内)へみんなで旅行に行きます。私のプログラムは2泊3日でスペインに行きました。ICEの目的は、留学先からさらに違う国を訪れることで、異文化を比較し、留学先国への理解を深めることです。なので、旅行の前にはICEミーティングと言って、異文化理解を深めるためのアクティビティが行なわれました。アメリカとフランスの文化・価値観の違いについて考えるアクティビティがあったのですが、アメリカの学生と日本人の私では、同じ滞在をしていてもフランスについて異なった印象を持っていて、興味深い時間となりました。例えば、私はパリの電車内はうるさいと感じていたのですが、アメリカの学生・先生たちは非常に静かだと感じていたり、私はパリの人たちは比較的時間に正確だと思ったのですが(電車が割と正確なので)、アメリカの学生たちはフランス人の食事ののんびりさに注目して、アメリカよりも時間にのんびりしていると感じていました。CIEEサマープログラムに参加する方は、ぜひICE WeekendとICEミーティングも楽しみにしていてください。

3. 予期せぬ状況を柔軟かつ積極的に好転させる

Session 3 は日程的に、日本の大学生にとっては参加しやすいのですが、アメリカの大学生にとっては新年度始めと重なって参加しづらいようで、参加者が比較的少ないかもしれません。参加者が少ないゆえに、自分の希望する授業が開講しないかもしれないという難点が少々あります。ですが、どこに留学するにしても、変更はつきものです。留学する時に目標を立てることは大事ですが、突然のキャンセル等に臨機応変に対応するためにも、いくつか別の目標を立てておくことをおすすめします。とくに外国語を勉強する目的で行く方は、自分のレベルに合った授業がなかった場合のことも考えておくと良いと思います。おそらく、Session 2と3に続けて参加する人が多い関係で、Session 3 では初級・中級の語学クラスは開講されない可能性がありそうです。フランス語がメジャーな第二外国語ということもあり、周りの学生さんのフランス語のレベルも高そうでした。私は大学で1学期だけフランス語を履修したので、フランス語の知識はほぼ無いような状態で行ってしまいましたが、私以外の参加者はフランス語中級~上級という印象で、フランス語で日常会話はできていました。ですが、そうした環境でも、私だけフランス語が遅れていて恥ずかしいと感じることはありませんでしたし、その環境を活かし、周りからフランス語を教えてもらったり、時には英語や他の言語も教えてもらって、言語に関して多くを学べました。英語開講の授業でも、十分にフランスについて学ぶことができました。もし、フランス語の初級文法を積極的に勉強したければ、授業外でCIEEセンターのスタッフさんやインターン生、ホストファミリーに頼んで、教えてもらうこともできると思います。

4. 話そうとする姿勢が重視される

アメリカのプログラムに参加することが、一般的な留学とどう違うのか、参加する前はあまりピンと来ないと思います― 私はこのプログラムで、留学先国とアメリカと日本(とICE Weekend で訪れる国)を同時に意識するような、他にはない素晴らしい体験をできました。外国を日本からの視点とアメリカからの視点で見られるのが、このプログラムの特徴です。それから、アメリカの学生に囲まれていながら、彼女らも「留学中」なので、自分が「留学生」という特別扱いを受けないのも一般的な留学との違いです。


英語の運用能力は、もちろんあるに越したことはありませんが、英語でもフランス語でも、話そうとする姿勢が重視されるような印象を受けました。ですから、授業では先生の近くに積極的に座り、発言できるチャンスを探しましょう。普段から真面目に取り組む姿勢を見せていれば、レポートやテストで英語に手こずっていても、頑張っていることは先生に伝わるはずです。ただ、アメリカ向けのプログラムなので、こちらに英語力が十分あることが前提で進みますから、英語開講の授業や英語のレポートに慣れていない人は、練習しておいた方が良いのは確かです。

5. 交渉してみることが大事

留学をする方、そしてこれから海外で活躍したい方へのアドバイスとしては、海外ではまず「交渉してみることが大事」ということです。日本では何かとルールが第一で、ダメなものは交渉してもダメ、ということが多いですが、海外ではそうでもないです。学校でも、ホテルでも、お店でも、困ったことがあれば、まず交渉してみましょう。日本より融通が利いて、案外簡単に解決できるかもしれません。実際、私は授業のレポートが期限までにどうしても終わりそうになかったので、放課後先生に交渉してみたところ、期限を延ばしてもらうことができました。時間に厳格な先生でしたが、私が普段はもっと時間をかけてレポートを書いていること、時間さえあればレポートがしっかり書けることを伝えたら、事情を理解してもらえました。その辺は日本の大学より融通が利くような気がします。日本では公平性が重視されますが、海外では交渉するのも実力のうちです。もし、自分が先生に交渉してレポートの期限を延ばしてもらい、その結果良い成績を取ったとしても、それはずるいことではありません― 先生に交渉することも含めて、良い成績をもらえたのだと考えていいんです。ですから、これから海外で勉強したり、海外とビジネスをしたい方は、まずは交渉が認められる文化を受け入れること、そして自分も上手な交渉ができるようになることが鍵になってくると思います。

 

これに加えて、今回のフランス留学を通じて必要だと思ったことは、相手が英語を話せない場合にも交渉できる力です。はじめに私はフランスの英語教育に興味があると言いましたが、それについてホストシスターにお話を聞けました。ホストシスターはアメリカに留学経験があり、英語が上手でしたが、フランスでは都心でも英語が通じることは少ないようです。私も滞在中によく体験しましたが、お店で私が英語で言っても通じるのは、相手が英語がわかるからではなく、ジェスチャーやコンテクストで伝わっているからだと感じました。非英語圏で、自分の言いたいことを伝えるにはどうすれば良いか、実際に体験しながら考えるきっかけになったと思います。理想的にはもちろんフランス語が話せれば良いのですが、そこまでできるようになる前はどうすれば良いか、今の自分でどうにかコミュニケーションを取るにはどうすれば良いか、ということです。私の経験から言えば、例えば地名や重要な単語だけはフランス語で発音できるようにしておくとか、まずは英語が通じる人を探す交渉をするとか、いろいろできることはあると思います。多様な人と積極的に話し、自分なりの交渉方法を見つけていくのが今後の課題だと思っています。

6. 短期留学の奨学金は珍しい

私は今回プログラムを通して、人と交流することの楽しさや大切さを実感した。そして、それらは自分の気持ち次第で可能になることも学んだ。これからは、この気持ちをもって、さまざまな人から多くの話を聞きたいと思う。まずは、来年、就職活動が控えているので、将来の自分について考えるうえでも、多くの人と話すことによって、様々な生き方を学び、自分と向き合うことをしていこうと考えている。三年生のこの時期に、このような体験ができて、非常に良かったと思う。