国際教育交換協議会(CIEE)日本代表部

CIEE

  

社会人になって振返る国際ボランティアプロジェクト
 

海外ボランティア体験は将来どう活きるのか ― パンフレットやウェブサイトに掲載されている帰国直後の体験談を語ってくれた人たちのその後をご紹介します。2006年夏にフランスのアランクーという町で国際ボランティアプロジェクトに参加した五十嵐 順一さんにインタビュー。後編は、帰国後の就職活動から現在の仕事の中で活きている国際ボランティア経験についておうかがいしました。さらに五十嵐さんの上司の方からもコメントをいただきました。

    

後編 〜フランスとのつながりは仕事でも〜  >>前編を読む


アランクー

懐かしいアランクーの風景

 

ボランティアワーク写真

ボランティアワーク中

 

―就職活動では国際ボランティアプロジェクトのことは話しましたか?
面接では「学生時代に一番頑張ったことは?」という質問をよく聞かれたので、その時に話しました。特に、塩焼きそばのエピソード(※前編参照)は必ず話していました。


―大学3年時に参加したことは良いタイミングだったと思いますか?
いや、もっと早く、1年生の時に行っておけば良かったと思いました。そうすれば早いうちに視野が広がり、4年間で多くのことに気づくことができたと思います。勉強ももっとしっかりしていたかもしれません(笑)。


―当時と現在で体験を振り返る時に何か違いはありますか?

参加直後は、自分の体験を「良い経験だった」というように、ある意味美化して思い込んでいたような気がします。就職活動の面接でもどうしても「良い経験だった、成長できた」ときれいにまとめてしまっている自分がいました。フランス語が全然わからなくてコミュニケーションが取れなかったことなど、今ではきっぱりと「挫折も味わった。辛いこともあった。」と言えますが、当時はその部分まで素直に見つめることができていませんでした。そういう意味でも、会えばいつでも当時を思い出せるような友人や、CIEEの方々に出会えたことは非常に大きいですね。


―現在のお仕事についておうかがいしたいのですが、会社ではどのような業務を担当されているのですか?

IT関係の部署で、コンピューター機器やソフトウェアなどをヨーロッパへ販売促進する仕事をしています。ヨーロッパ、中近東、アフリカをカバーしているフランスの現地法人スタッフとメールや電話などでやりとりがあります。

 

―メールや電話は何語で?
英語です。

 

五十嵐順一さん

―仕事でもまたフランス人と接点があるのですね。メールなどではコミュニケーションの点で苦労することはありますか?
お互い英語のネイティブではないので言っていることがわからないこともあり、そんなときは電話をして確実に認識合わせをしています。今はメールや電話で海外にいる人を相手にしているので、相手の顔が見えません。そのような理由もあって、相手の真意はなんだろうと深く考えるようにしています。国際ボランティアは挫折でもあったので、「二度とあのような経験をしないように」ということを頭の片隅に置いています。そして実は最近、フランス語の勉強を始めたんです。なかなか難しいですが、いつかフランスにいるスタッフとフランス語で会話をしたいと思っています。


―希望していた仕事に就けて、そこでまたフランス人とコミュニケーションをはかる機会があるのは何かの縁かもしれませんね。

海外と関わりのある仕事を就職活動の時から希望していましたが、まさか1年目から海外の仕事ができるとは思ってもいませんでした。しかもフランス。さすがに縁は感じました。


―将来のビジョンなどはありますか?
仕事をしていると「何のためにこの仕事をしているのか」を立ち止まって考えることが必要だと思いますが、私は自社の商品で、それを利用する人の生活向上など「世界の人々を幸せにしたい」というテーマが基本にあります。今は海外からやりとりをしていますが、いつかは商品の利益を直接受ける人の近い所で働いて幸せを与えられたらいいなと思っています。


―これから国際ボランティアプロジェクトに参加しようと考えている人たちへのメッセージをお願いします
これは学生の時に体験談を話した時から言っていることですが、ほんの少しの勇気を持って一歩踏み出せばその後の世界は驚くほど広がる、ということです。迷っているならばとにかく「参加しちゃえ」という思い切りが大事です。


―最後に、この4月から社会人となる方やこれから就職活動へ臨む人たちに向けてひとことアドバイスをお願いします。
芯を持って発言、行動してください。国際ボランティアでも学んだことですが、やはり意見をはっきり言うことが大切です。


―今日はどうもありがとうございました。
ありがとうございました。

 

上司から見た五十嵐さん

私は五十嵐さんが入社して間もないころに、新入社員たちに向けて「会社は営利団体なので売上げと利益確保が最重要課題である」と講義したことがあります。その際の質疑応答で「製品を売ることにより、環境に悪影響を与えてしまう可能性があるが、配慮が必要なのではないか?」と五十嵐さんが問題提起しました。視点の高い意見であり、鋭い指摘と認識しました。私は次のように答えました。「当社では高度な技術力を用いた省電力ITソリューション製品を販売しています。よって五十嵐さんが売れば売るほど地球環境への配慮となるのです。」そしていみじくも、現在の彼がメインで販売推進しているのが、省電力クライアントソリューション製品です。
職場での五十嵐さんは過去の海外経験で培った協調性で先輩・同僚はもとより、フランス人、オランダ人など海外のスタッフとも円滑なコミュニケーションが取れています。私自身も3カ国での海外在住経験がありますが、五十嵐さんにも狭い日本国内でなく、全世界を土俵として活躍いただきたいと思っておりますし、彼なら可能である、と確信しています。

 

次はあなたが

五十嵐さんの国際ボランティアプロジェクトを通しての「出会い・発見・成長」を、2回に分けてご紹介しました。2010年夏の国際ボランティアプロジェクトの募集は3月26日より開始されます。あなただけの国際ボランティア体験の場となる約700のプロジェクトが待っています。

 

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