体験レポート

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“英語環境にどっぷり浸かれた3週間。積極的に学びに行ってよかった! こんな経験、社会人になったらできそうにありません ”

  • 【参加者】 深澤弘樹さん(大学2年生 ※参加当時)
    【参加プログラム】 アメリカ「教師アシスタント」
  • 【活動先】 アメリカ・ユタ州 
  • 【参加時期】 8月
    【参加期間】 3週間

自己紹介

中学校の教員免許では、2教科取る必要があり、英語の他に数学の免許を取るための勉強をしています。また、副専攻では小学校教員免許の取得を目指して勉強しています。時間的には、大学1年生で参加することもできたのですが、金銭的なハードルがあり、2年生で参加することに決めました。本当に行こうと決心したのは2016年の5月です。申込む前に、所属大学のグローバルボランティア授業で過去参加者の体験発表を聞いたり、体験記を読んだりしました。アルバイトは塾講師と、キャンパス内で聴覚障碍者向けにノートテイカー活動をしています。2016年の後期から国内留学生(コスタリカ人)のチューターを始めました。教育に関する活動が主です。

準備で苦労したこと

CIEEが提供されているプログラムについて親に説明し、理解してもらうことでした。結構わかっていない部分が多く、TOEFLテストの事も知らない親だったので・・・。大学のプログラムではないこともあり、「ボランティアを斡旋しているところなんだよ」という説明をしましたが、すぐには納得してもらえませんでした。また、これまで参加した姉妹都市や大学のプログラム(韓国や台湾)とは異なり、自費ということもあって、親から同意をもらうまでが大変でした。

それから、やっと同意がもらえた後も、アルバイトやサークルが忙しくて申込みがギリギリになってしまいました。結果、航空券は高くなってしまい(約17万円)、キャッシュパスポートの申請も間に合わなくて、諦めました。クレジットカードはデビットカードを持っていきましたが、やはり使えるところが限られていました。アメリカドルは十分持って行ったので、それで何とかしました。

現地小学校での活動 は?

校長先生がハワイ系の日系人の学校でした。日本の事を話す機会はなかったのですが、フランクに学内を歩き回っていて、廊下ですれ違うと挨拶してくれ、自分のことを覚えてくれていたのは嬉しかったです。担当教員のAnderson先生は、若くて美人の白人の先生でした。産休から復帰したばかりだったみたいです。Clegg先生というアメリカ人大学生の実習の先生もいました。大学生といってもAnderson先生より年上でお子様もいる女性でした。主に、この2人の先生のアシスタントをしました。

日米の教育現場の違いは?

1年生ということもあってか、時間割は日本ほど厳しくなく、教科書ベースではないというのが大きな違いだと感じました。日本は検定教科書の利用が義務化されているので、それに沿って教えなくてはなりません。また、聞いているだけじゃなくて、生徒たちも参加している、というのが大きな違いだと感じました。挙手するタイミングも、本当に自由で・・・。それから、ご褒美としてのお菓子が、授業で普通に配られるということにも驚きました。教具も、OHPという実物投影機が使われていましたし、Wifi環境が良く、インターネットは常に繋がっていて、DVDを見せたりする授業もありました。デジタル機器も、誰でも簡単に使えるようになっていたのが、日本とは違うと感じました。

あと、ダンスの授業がありました。音楽が流れる中、先生も子供たちと一緒に楽しく踊っていたのが印象的でした。決められた振り付けを教える訳ではなく、みんな自由に、各々に体を動かすというのが日本では在り得ない光景でした。ラテン系移民の子どもが結構いたのも理由かもしれません。

また、色んな人種の子どもたちが1つのクラスで学んでいることも、日本とは大きく違います。教室に初めて行った日から、子どもたちが抵抗なく自分を受け入れてくれたことにもびっくりしました。日本だったら、「外人だ・・」という感じて、外国人の教師アシスタントは疎外感を感じると思うのですが・・・本当に、何の警戒心もなく受入れてくれました。

学校の中にボランティアとして普通に保護者がいたのにも驚きました。子どもが誕生日の時に、親がカップケーキをクラスの人数分買ってきたり、自分の子どもが好きな本の読み聞かせをクラス全体にするという、スタースチューデントというイベントがあって、最初は「なんだこれは・・・」という感じで驚きました。日本ではPTA的な関わりか、授業参観(後ろで見ている)ということ位しかイメージできないので。アメリカでは、子も親も一緒に学ぶという時間が設けられていて、すごいなと思いました。保護者は主にお母さんが来ていました。

生徒たちは、わからなくてもとりあえずやってみる、という精神でした。まだ指示を出していないのに、自分たちで考えてどんどん進んで行ってしまう。「まだ説明していないのに!」という時もあり、困りましたが(苦笑)。日本でアルバイトしていて実感するのは、わからないとフリーズして動かなくなってしまう子が殆どだということです。アメリカではそんなこと一切ありませんでした。

また、担当だった1年生以外の学年(2、4、6年生)の授業も見せてもらう機会がありました。 2年生の授業は、他の日本人アシスタントが模擬授業をするところを見学しました。2週間時期が重なっていた教育系の大学院生の学生がいて、「模擬授業ぜひ見に来て」と言われ、行きました。模擬授業ではクイズ用のアプリを使っていて、最先端で驚きました。まず、スクリーンに質問を投影させて、その後1人1台タブレットを配布するんです。タブレットにはクイズの答えの選択肢(4択など)が投影されていて、子供たちはスクリーンをタッチして正解を選ぶんです。自分も同じようなクイズの模擬授業をやったのですが、パワーポイントとホワイトボードを使ってやる形で、タブレットを使うアイディアはなかったので・・・今後の参考になりました。

4年生は、2年生のバディクラス(お互いのクラスに遊びに行く取組み)を体験しました。バディクラスってアメリカならではでしょうか。日本では、違う学年のクラスに訪問する機会はあっても、バディ制度というほどのものではないと思います。ここでは、バディを組んでいるクラス同士の交流が盛んなようでした。

6年生は特に関わりがなかったので、お願いして一度見学しました。コンピューターのクラスを見たのですが、プレゼン用のスライドショーらしきものを作っていて・・・小学生のレベルじゃないなって驚きました。それから、6年生の担当教員がICT(Information and Communication Technology)に長けている先生で、生徒たちにクイズを出す時に、QRコードを使って回答をさせていました。たとえば、4択問題で、Aの場合は、QRコードを縦に、Bの場合は90度傾けて、Cの場合は180度傾ける、そんな感じです。それをスマホで先生が読み取って、機械で集計して、発表するというものでした。日本の小学校、中学校では無線LANが繋がる環境はまだ整っていないので(2020年に向けて取り組んでいるとは聞いていますが・・・)すごいなぁと思いました。公立の小学校だから、生徒たちの学費から払っている訳ではなくて、教育環境にシティがしっかりお金を出しているのかなぁ、という印象でした。

苦労したことは?

子どもたちの話している英語を聴き取るのが大変でした。何度も聞き直して申し訳ないと思いました。いくら聞き返しても理解できないこともありました。せっかく子どもが質問してくれているのに答えられないのはもどかしかったですね。

模擬授業では何をしましたか?

私は2回やらせてもらいました。1回目は2週間目の金曜日でした。参加したのが8月だったので、季節行事の紹介として、日本の夏祭りの様子をパワーポイントで投影しながら説明しました。浴衣も持参したので、浴衣を着ながら、少しでも祭りの雰囲気を感じ取ってもらおうと努力しました。最終的な仕上げはアメリカに来てからやりましたが、日本に居る時からずっとこのテーマでやりたいと考えていました。それから、アナと雪の女王の主題歌『Let it go』を4か国語で歌い、どれが日本語か当ててもらうゲームをしました。Aがフランス語、Bがスペイン語、Cが日本語、Dが韓国語としました。A,B,Cと歌い進めていったとき、皆「これはCだよー」という流れだったんですが、オチとして、Dを流暢な感じの演技で歌ったら、皆騙されてDに投票してしまい、最終的に全員がハズレという展開でした。正解はCです!と発表したときの子どもたちの「え~」というリアクションが印象に残っています。最後は全員で英語バージョン、日本語バージョンを合唱しました。いつかの紅白歌合戦でもそういうシーンがあったので。

2回目の授業は、福笑いをしました。日本とアメリカは教室の構造が違なり、机と椅子のスペースとは別に、みんなが集まって座りながら話ができるスペースがあるんです。子どもたちにそこに円になって座ってもらい、僕も座りながら子どもたちと同じ目線で説明をしました。おかめとひょっとこの顔を見せた瞬間から、子供たちは大爆笑で。そんなに笑うか、という位でしたよ(笑)。実演して見せた時は、置くや否や大爆笑でした。その後子供たちを4グループに分けて、順番に遊んでもらいました。この授業が最終日の授業だったので、授業の最後に先生が箱を持ってきてくれて、プレゼントをもらいました。プレゼントは大きな模造紙に書いた手紙でした。感動してちょっと泣いてしまいそうだったので、この紙で顔を隠して乗り切りました。


この紙は今も大切に家に飾っています。見る度に当時のことを思い出します。

ランチはどんな感じでしたか?

僕が活動した小学校では、教師アシスタントと教員が一緒に食事することが殆どでした。カフェテリアで子どもたちと食べたのは、2~3日で後は先生たちと一緒でしたね。量も十分あって、食べ放題でした。子どもたちはご飯もそこそこで、昼休憩で外に遊びに行っていました。先生とは、クラスで起こっている事や週末にしたことを話しましたが、とても早口でついていくのが厳しかったです。

他に同じ小学校で活動していた日本人も一緒だったので、その時は日本語が話せました。日本人の中で、お寿司とか大福とか日本から持ってきて、先生たちに振る舞っている人もいて、すごいなぁと思いました。僕は何も用意がなかったので・・


土日はホストファミリーと家で食べたり、外食に連れてってもらうこともありました。ホストマザーが結構自炊してくれる人だったのでラッキーでしたね。

現地コーディネーターとのウィークリーミーティングはどんな感じでしたか?

模擬授業のアイディアの共有だったり、他のクラスに見学に行きたいかどうかの希望を聞いてもらったりしました。2週目のミーティングの後に、たまたま送迎してくれることがありました。僕だけ他のボランティアと違い、とても離れたところにホームステイしていたので…。自転車は車に積んでもらい、助かりました。最終週には英語の修了証書をもらいました。

持参して役だったアイテム、持参すれば良かったと思うアイテムをそれぞれ教えてください。

折り紙を2セット持っていき、現地でよく子どもたちと遊びました。電子辞書やノートパソコンも役立ちました。持っていけば良かったなぁと思うのは、キャッシュパスポートですね。申請が間に合わなくて現金とデビットカードしか持ってなかったので、現地でクレジットカード機能が使えれば、もっと買い物などスムーズにできたと思います。フリーズドライの味噌汁は、3食分持って行って、1食分は自分で食べたのですが、滞在最終日にホストマザーが「I love miso soup」って言っていたので、食べ方を教えて、プレゼントしました。

ハプニングは?

滞在1週目に電車が乗り放題になるパスを買ったのですが、3日目くらいに無くしてしまったんです。それでホストファザーがロードバイクを貸してくれることになったんですが、それが2~3回パンクしてしまって・・・(笑) 。ロードバイクのパンクって結構頻繁にあるみたいでホストファザーは気にしていない様子だったんですが、小学校でそのことを話したら、校長先生が直してくれたことがありました。

ソルトレイクシティでの生活は?

ソルトレイクのダウンタウンは、とても都会でした。郊外と比べると、行き交う人の量や路面電車の量が多く、洗練された感じでした。ただ、ホームレスも多かったです。犯罪はそこまで多くないのか、警察やセキュリティは全く見かけなかったです。私のホストファミリーはソルトレイク中心部だったので(*1)、放課後は街を散歩したり、スタバに行ったり、他のカフェに行ったりすることもありました。ディズニーストアは結構じっくり見ました。あと、マイクロソフトストアや、ソルトレイクオリンピックパークにも行きました。天気は8月前半ということもあり、カラッカラに晴れていて、体感35度以上の日が多かったです。華氏と摂氏の計算が難しいなと感じました。

*1 ホームステイ先はソルトレイクシティ郊外になることが殆どですが、繁忙期には稀にソルトレイクシティ中心部の滞在先になる場合があります


玩具量販店で見つけたアメリカ版「妖怪ウォッチ(YOKAI WATCH)」のカレンダー

ホストファミリーとの思い出は?

ホストファザーは62歳。本業がエレクトリシャンで、ガレージでも何か作ったりしていました。ホストマザーは専業主婦ではなく、働いていたので共働き家庭。ホストマザーは38歳で、年の差が20歳以上あるご夫婦でした。ちなみにホストファザーは離婚歴があります。アメリカは離婚率が高いって聞いていたので、本当なんだぁと実感しました。ちなみに、僕が滞在している間にホストファザーが誕生日を迎えたのですが、前妻の娘がお祝いに来ていたんです。そこにホストマザーも普通にいて、みんなで一緒に食事をしたんですが、ホストマザーと娘さんの年齢差は10歳くらいで・・・僕は「どういうことなんだろう」と疑問を持ちつつも、込み入ったことを聞いてはいけないと思い、遠慮しながらご飯を食べました。

後、近所の人とホームパーティをすることがあったのですが、ホストファミリーから「今日の参加者の中にはゲイの人がいるから。ゲイバーフットだから」と前もって言われていたんです。僕は「ゲイバーフットって何だ?」と思いつつ、そのBBQを楽しみました。会話もよくしたし、すごく楽しかったんです。それでBBQが終わった後に、じゃぁ答え合わせをしようっていうことで、僕がわからなかったので適当に「全員ゲイ!」と答えたら、「そうだよ!」って。当たっていたんです。4~5人の男性がいて全員ゲイだったんです。とてもたくましい方々で驚きました。日本ではゲイの方々と接したことがないので。

ホストファミリー以外で出会った人との思い出はありますか?

ホストマザーのお兄さんと一緒にサッカーや野球観戦をしたり、最終日一緒にご飯を食べたりしました。とても面白い人でした。 野球はマイナーリーグでソルトレイクビーという地元のチームの試合を見たのですが、観戦の翌日、小学校でその話をしたら「あぁあの弱いチームでしょ」って笑われて。僕は元々サッカーや野球の興味があまりないので、日本でも観戦したことがなかったのですが、初の観戦がアメリカになるとは思ってもみませんでした。とても楽しかったです。

最後のメッセージ ~このプログラムから得たものは?~

日本の大学で学んでいること(文字指導や、算数の教育など)がアメリカの小学校で応用できたことがよかったです。帰国後、学校の教授に報告したら、教授も喜んでくれました。それから、アメリカの小学校の授業でICT(Information and Communication Technology)を活用した指導を見ることができたので、(まだ大学2年生なので早い話ですが)、卒論研究のテーマを考え始めるきっかけとなりました。現地で出会った別の日本人教師アシスタントから受けた影響も大きかったです。この夏、団体の語学研修に参加した友人は、授業後は友だちと日本語で話していたと言っていましたが、自分は英語環境にどっぷり浸かれて大満足でした!こんな貴重な経験、社会人になったらできないので・・・。積極的に学びに行って良かったと思います。


深澤さんが参加したプログラム

アメリカ「教師アシスタント」

アメリカの現地小学校にて英語での授業サポートと教師体験

ユタ州ソルトレイクシティ近郊およびアリゾナ州フェニックス近郊の小学校でアメリカ人教師のアシスタントを行うプログラムです。授業以外にも、昼食、休み時間、放課後など1日の大半を子供たちや教師と共に過ごし、期間中最低1回、約20分~30分間のオリジナル授業を1人でおこなうことでアメリカの教育現場を本格的に体験することができます。日本にはない教育方法や価値観に触れることで、日本の教育や子どもたちのことを真剣に考えるきっかけになるでしょう。将来教員を志望しているかどうかに関わらず、「子どもとの交流、世話することが好きな人」であれば素晴らしい体験ができるプログラムです。

アメリカ「教師アシスタント」プログラムの詳細はこちらをご覧ください