教師アシスタント ボランティア 日本語クラスサポートボランティア

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-教師アシスタントボランティア参加 寺尾さん

“子どもたちを否定はせず、とにかく褒めることが多かったです”

-日本語クラスサポートボランティア参加 保坂さん

“主体的に子どもたち同士で助け合うことが普通になっていました” 

今回は海外ボランティア体験レポート特別編として、アメリカでの小学校で活動を経験した大学生に、アメリカの教育現場について語っていただきました。子どもたちや先生たちの学校での様子は?日本語・日本文化の授業はどんな内容なのか?現地で体感したお二人にしかわからない貴重な経験をお伝えします。

アメリカの子どもたちの様子や印象に残ったことはなんですか?

  • 寺尾:日本の小学5年生よりも素直で、先生の言うことは絶対守るという印象でした。期間中、自閉症の子が転入してくることになり、私も先生たちの会議に入らせていただき、子どもたちへの影響やサポート体制などについて話合いました。先生が本を読んで子どもたちに自閉症についておしえてあげると、何人かが「わたしの隣の席にしてくれれば、私が助ける」とか「休み時間に一緒に遊んであげる」などと言ってくれたことがありました。1クラス約30名の中に1名くらいの割合で、自閉症の子がいるのですが、子どもたちは、症状のことを理解して偏見を持たずに接する雰囲気がありました。

保坂:私が行ったのは幼稚園児から小学校5年生までの子どもたちがいる学校で、各学年2クラスあり、1クラスの児童数は20人弱でした。全体的に子どもたちが積極的でした。授業中、どんどん手をあげて発言や質問をしたり、私の名前を覚えたら呼んでくれたり、日本語でわからないことがあれば、主体的に子どもたち同士で助け合うことが普通になっていました。机の並びが4人くらいずつのグループで机が向かい合っていて、良いことをしたら先生がそのグループにポイントをあげるような仕組みを作っていました。

人種は白人(コーカサス)の子、日系の子、日本以外のアジア系やアフリカ系の子どもたちもいて様々でした。ある人種の子どもたちの勉強に対する意欲が低い傾向があるなど先生たちにとっての課題はありましたが、子どもたちの間では人種で隔たりを作るようなことはなく、人種ごとにグループができてしまうようなことはありませんでした。

子どもたちはよくなついてくれて、私をよく手伝ってくれる子もいましたし、触ってはいけない運動会の道具で遊ぼうとしていた子を英語でうまく注意できない時に英語でフォローしてくれるようなしっかりした子もいました。 日本語のクラスを受けている子たちなので、できるだけ日本語を使おうとする習慣ができていて、幼稚園のクラスでもお菓子の袋が開かないときに、「袋を開けてください」と言えるようになっていてびっくりしました。

寺尾:私の行った小学校では、初めて見る日本人が私という子がほとんどでしたが、特に子どもたちはとまどうことなく接してくれました。

【アメリカの小学校の特徴①】
アメリカの生徒たちはとても積極的。授業でわからないことがあればわかる子が自主的に助けてあげる場面をよく見ました。

日本語・日本文化の授業の様子をおしえてください

寺尾:私は2回授業をさせてもらって、最初は新聞紙で兜をつくるというのと、2回目は日本についてのクイズをパワーポイントを使ってやりました。日本の小学生はみんなランドセルを背負って登校すること、そして、みんなで掃除をしたりすることなどについて紹介しましたが、子どもたちだけでなく先生も興味を持ってくれました。日本のことを全く知らない子もいるので「忍者っているの?」という質問もあれば、テレビで日本のトイレが紹介されているのを見た子からは「水が出るんでしょ?」とか「あったかいんでしょ?」などの質問がありました。クラスの子どもたちの名前をひらがな、カタカナ、漢字で書いてあげたら喜ばれました。

保坂:私は日本語クラスのサポートを学年をまたいでおこなっていました。日本語の授業の中には日本の文化を教える内容が組み込まれていて、年中行事を日本に倣ってやっていました。私が行った時期はお月見をしてお団子を食べたり、お月見に関連した紙芝居をやったり、日本の歌を歌ったりしていました。敬老の日についての授業では身近なお年寄りに日本語で手紙を書くということもしていました。

日本式の運動会も開催され、「玉入れ」や「台風の目」といった日本の運動会でよくやる競技をやって、子どもたちがすごく楽しそうでした。日本の小学校のように全体で整列する習慣があまりないようで、きれいに並ばせるのに日本語の先生たちが苦労していたのですが、最終的には前後の人の名前と顔を覚えたり、ちょうどいい間隔をつくるために手をつないだりしてから離すなど工夫をしておこなっていました。

あと日直制度があって、日直担当がその日の曜日、日付、天気、「暑い」「寒い」を日本語で言ったり、日本語クラスでは「起立」「これから日本語の授業を始めます」「礼」などの日本語のフレーズを覚えて使っていました。日本語力はクラス内でも差があって、スラスラ書けたり、ペラペラ話ができたりする子もいれば、授業の内容は理解できるけれど会話は英語でないとできない子もいるので、その差を埋めるために担任の先生がクラスについて助けてあげるなど、日本語クラスの先生とクラス担任の先生が協力しあっていました。

【アメリカの小学校の特徴②】
子どもたちの日本語レベル、日本についての知識量は様々。伝統的なことから現代のことまで興味の範囲も広い。

アメリカの先生の様子や印象に残ったことはなんですか?

寺尾:先生の担当する学年は、ほぼ固定されていました。5年生担当ならば毎年5年生の担当というように。アメリカの学校でも私の行ったところは、日本と同じようにクラス全員が黒板に向かって座っていました。席順はその日ごとに先生が主体で決めていて、基本的に勉強があまりできない子は前に座らせるなどしていました。時々パソコンを使ったリーディングのテストをするのですが、今の成績だけでなく、前の学年の成績も参考にしていました。日本のような「学期制」ではなくYear around(通年)のシステムなので、クラスによって夏休みを取る時期が違うようでした。

保坂:私がついたのは日本人の先生たちでしたが、どの先生も厳しい時と褒める時のバランスがとれていて、授業中発言をしたり、注目しないといけないときにすぐに注目できたりした子のことは褒めていました。また、「Dragon Dollar」という校内でのフリーマーケットなど学校内だけで使える紙幣を与えていました。あるクラスでは教室の表に子どもたちの名前のクリップを貼って、良いことをすると上にあげ、悪いことをすると下げるなど、数字や目に見える形で評価していました。

先生が合言葉を使ったり、手でキツネのマークを作るのですが、それに気づいた子どもから話すのを止めて静かになるので、子どもたちを集中させる工夫がしっかりとしていて驚きました。

寺尾:私の学校にも、褒められることをするとチケットに名前を書いて教室の後ろの箱に入れて、金曜日に回収してクジをひいて当たった子が景品をもらえるようなことをやっていました。

保坂:ポイント制がすごく多かったですね。班ごとやクラス単位でビー玉やクリップを使ってポイントをあげるなど色々やっていましたね

【アメリカの小学校の特徴③】
先生は子どもたちの名前を呼びながらよく褒める。良いことをするとポイントやチケットを与え、 子どもたちのやる気やモチベーションをコントロールしていた。

教室でよく聞いた英語フレーズや役に立った表現はありますか?

寺尾:子どもたちが間違ってもあまり否定はしないで、とにかく褒めることが多かったです。「Good Job!」以外にも「Well done!」「Excellent!」など色々な褒めるフレーズを使って言っていました。それに名前を付けて褒めてあげることが多いです。私は勉強のできない子をサポートすることが多かったのですが、算数で使う表現を全く知らずに行ったので、はじめにそれを全部覚えなければいけませんでした。足し算も「plus」だけでなく「add」を使ったり、かけ算で「times」を使ったり、そういうものを事前に知っておくとグンと楽になると思います。6年生担当のアシスタントをしていた友人は授業で確率をやっていたので、苦労していましたね。日本の学校の英語授業では習わない、教科で使う英語表現を準備しておくとよいと思いました。

保坂:折り紙を教えてあげたのですが「flip(めくる)」という言い方は、先生が言っているのを聞いて覚えました。他にも、細かい動作の表現、子どもにお願いをするときの表現、子どもを注意する時のとっさの表現も知っておくと便利だと思います。基本的には日本語で話すのですが、どうしても伝わらない時の「Tell me in English」、危ないよ、と注意する時の「watch out」などは覚えておいた方がよいかなと思います。また、幼稚園児をトイレに連れて行ってあげるときは、大人が使う言い方とはちょっと違い、子ども特有の言い方がありました。それを聴き取るのが難しかったので、そういう場面にも遭遇するんだ、という心構えだけでもあるとよいと思います。

【アメリカの小学校の特徴④】
算数で使う英語表現(四則演算、インチ、パウンド、華氏/摂氏などの単位)は以外と知らないもの。 事前に調べておくと便利かと思います。また、とっさの時に使えるようなフレーズを英語で言えるようになると、 子どもたちをスムーズにサポートしてあげられるようになります。

 

思い出のアイテム

子どもたちからもらった手紙、学校からもらったTシャツ、プログラム修了書は宝物です
(左:保坂さん 右:寺尾さん)


お二人とも今日はどうもありがとうございました!

寺尾さんが参加したプログラム

アメリカ・ボランティア「教師アシスタント」

ユタ州ソルトレイクシティ近郊の小学校でアメリカ人教師のアシスタントを行うプログラムです。授業以外にも、昼食、休み時間、放課後など1日の大半を子供たちや教師と共に過ごし、期間中最低1回、約30分間のオリジナル授業を1人でおこなうことでアメリカの教育現場を本格的に体験することができます。

アメリカ・ボランティア「教師アシスタント」の詳細はこちらをご覧ください

寺尾さんの体験をもっと知りたい方はこちらをご覧ください

保坂さんが参加したプログラム

アメリカ・ボランティア「チャイルドケア」

カリフォルニア州サンフランシスコ市内のレジデンスに滞在しながら、ボランティア活動をおこないます。人種や性別などに捕らわれない多種多様(ダイバーシティ)な文化が特徴のサンフランシスコで、自己成長できる体験をしませんか?アメリカでは、「何を学び、何を達成したいのか」といった、目的意識を持つことがとても大切です。「英語コミュニケーションの力を伸ばしたい」「サンフランシスコの日系社会を知りたい」など、どんな目的でも構わないので短期間でも目標に向かって努力できる方”のご参加をお待ちしています。

アメリカ・ボランティア「チャイルドケア」の詳細はこちらをご覧ください

保坂さんの体験をもっと知りたい方はこちらをご覧ください